満足度★★★★
反転。原作とは性別反転というこの物語、元通りに反転させて振り返ると、戯曲に写し込まれた歴史や社会の闇が鬱蒼然として浮かび上がってきます。しかし反転させることでその社会性が意味を無くし、幻想的なフェティシズムだけが色濃く描き出された印象。絶え間なく続く生演奏が実に効果的で、少年・繭を演じた笹木皓太くんが大正時代のモダンを駆け抜けるように叫ぶ様がアヴァンギャルドを体現。アングラというには生々しくなく、エロスというには清らかで。全編を通して一貫した誠実な演技で空間を完全に味方につけていました。やはり凄い役者さんです。物凄いです。
ネタバレBOX
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2013/06/20 00:59
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