満足度★★
楽しみ方
私が大学時代に所属していた演劇サークル・夢幻舞台。
その卒業公演を観に行ってきた。
出演しているのは、もはや顔を合わせた事もない後輩たち。
どういうスタンスで見ればよいのやら戸惑った。
出演者はとても楽しそうである。
それは良い事なのだが、その楽しさが、はたしてこちらに伝わってこない。
演劇の楽しさ、というよりは、
サークルの楽しさ、なのである。
それが私は楽しめなかった。
誰に向けられているのかも朧気な台詞たち、
人前に、舞台に立っているという事に無自覚な俳優たち。
と、こんな事を書いてみた所で、
結局「演劇」というものに求める理想とか楽しさみたいな物が、
私と彼らとでは違うのだろうから、
ただの口うるさいOBとなってしまうのだろう。
しかし、これだけは言いたい。
人様の時間をもらって舞台に立つわけだから、
それ相応の覚悟を決めた方がかっこいいぞ、と。
マクベス夫人(井内友理恵)は結構良かったんだが。
しかしこの『贋作マクベス』という戯曲、
私が高校の頃の時代の空気がすっぽり閉じ込められている。
J-PHONEに届かないメール、モーニング娘。、踊る大捜査線。
知ってる人にはよく分かる話だが、
今の高校生とかは、この戯曲とどう向き合っているのだろう。
中高の演劇部にはなかなか人気の戯曲だろうから、
これがどう上演されているのか、非常に気になる所である。