劇作家女子会! 公演情報 劇作家女子会×時間堂presents「劇作家女子会!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    女達の世界
    女性劇作家4人の短編オムニバス公演で、「偽る女」というモチーフが共通して描かれていました。

    『彼女たち』(黒川陽子)
    髪を切りに来た女と美容師が同じ男と付き合っていることが判明し、お互い意地を張って嘘を重ねていく様子がリアルな会話劇として描かれていました。敵対関係なのに途中からお互いに会話を楽しみ始める姿が女性ならではだと思いました。

    『Compassion』(オノマリコ)
    公園で彼女が来るのを待っている男に(自称)娼婦の女が絡む物語で、女のとりとめがなく不条理に見える台詞の中に共感出来る部分があり、印象に残りました。台詞や展開にフランスの文学や映画の様な雰囲気を感じました。

    『バースデイ』(モスクワカヌ)
    夫が不倫していることに気付きながらも、良き妻を演じようとする女の心情がケーキ作りの様子と重ねて描かれていました。台詞の合間に不倫相手が読みあげるケーキのレシピが挿入される構成が小説的に感じられました。

    『親指姫』(坂本鈴)
    小学生同士の恋文メールを冴えない同級生が匿名で代筆するという非現実的な設定ながらも、小学生に現代人の悩みが投影されていて説得力がありました。少年漫画的な賑やかなノリは好みではありませんでしたが、他の3作と全く異なるテイストが良いアクセントになっていました。

    建て込んだセットは無く、壁面にグラフィックが描かれていて、絵に紛れ込むように書かれたタイトルが照明で照らし出されるのが洒落ていました。
    どの作品もまとまりがあって、役者の演技も良かったのですが、突き抜けた物が感じられませんでした。敢えて男性演出家に演出させたのかもしれませんが、演出も女性が担当して、とことん女ならではの世界を描いて欲しいと思いました。

    アフタートークは、こりっちでもお馴染みの高野しのぶさんがゲストで、不明点・不満点を率直に述べていたのが爽快でした。時間が短かったのが残念です。

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    2013/06/15 00:05

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