しあわせの支度 公演情報 ソラリネ。「しあわせの支度」の観てきた!クチコミとコメント

  • 「日本の家族の在り方」が、変わる
    舞台だからこそ感じられる、面白味。

    「日本の家族の在り方」を変える、メッセージ力。


    バレないネタバレを是非。


    ネタバレBOX






    「日本の家族の在り方」を問う、重要なエッセンスを含んだホーム・コメディだった。


    とある山奥に、家族経営で守り抜いてきた“昭和の旅館”があった。
    亡き両親が残した、その建物と四月一日(わたぬき)家9人にのぼる兄弟達。
    答えを言ってしまおう。兄弟達は実の子ではなく、全て養子として引き取られた子供達だった。


    そういえば、「3つ子」「双子」が 並ぶと、それぞれ顔が違えば、身長も違う。
    私たちは、実の兄弟とばかり思い、舞台を観ていた。当初、大きな疑問が浮かばなかったのは、あまりの仲の良さ にある。


    旅館内従業員居住スペース=茶の間のシチュエーションで、複数のドラマが同時進行するため、まず飽きることはない。
    消費者金融の兄ちゃんの存在が、舞台に よりダイナミズムを与えていた。

    「押入れの中の人」の存在を感じながら観劇するのは、気持ちのいい感覚だ。茶の間にいる四月一日(わたぬき)家の面々は知らないからである。
    その意味で言えば、さくら と “謎の王子様”は出番こそ少ないものの、舞台におけるボリュームだと思う。

    『劇団14歳』という名の演劇団体を把握する観客はいるか。
    主に、池袋などで上演を重ねている。テーマは、「この時にしかない、魅力」だ。

    年齢はズレるが15歳で養子の事実を押入れで知ってしまった彼女は 、この事実に対し どう対応すればいいのだろうか。さくらの体操着姿は、女子中学生にさえ見える。

    「日本の家族の在り方」を存分に感じられた反面、現実と向き合った作品だった。さくらの大泣きぶりは、養子を認識したことが成長のマイナス要因になることを印象付ける。

    複雑、混乱、世の中、現実…。


    「日本の家族の在り方」は、世界各国の中で極めて保守的な基盤がある。
    「捨て子」の最大の原因は、金銭的理由ではなく、「非摘出」等々の出生背景である。

    仏の新しい女性大統領・ロワンド氏は、夫と事実婚の関係にあり、非摘出の子供を持つ。
    例えられるケースが最近多いが、では日本の首相に非摘出の子供を持った事実婚を続ける人物が就任できるか。
    西武グループ総帥・堤康次郎は隠し子がいたが、新聞・雑誌に追求されなかった。それはメディアを抑え付けるポリティカル・パワーを振りかざすことが可能だったからだ。



    養子と非摘出は、全く次元の違う問題だろう。しかし、いずれも保守的な家族意識下、排除されかねない「少数派」だ。

    それを、肯定することは、社会と断絶しなければならないことを意味する。
    “双子”だったはずの兄弟が、養子と聞かされ、混乱する姿は まさかに「日本の家族の在り方」に基づいた反応だった。
    20歳の“双子”のうち、女は激怒。男は沈黙。15歳の さくら は大泣き。

    これは、四月一日(わたぬき)家の呼び方「大黒桂」(だいこくかつら)か、社会の「大黒柱」(だいこくばしら)を 取るのか、という問題に置き換えることができる。

    簡単に示せば、“長女”を筆頭とする上の兄弟6人が「大黒桂」を呼び続ける、下の3人が「大黒柱」に直したい、だった。

    結果も、言ってしまおう。
    導かれた結果は、家庭憲法「四月一日(わたぬき)法」を修正し、各人が自由に暮らしながらも「繋がり」を大切にしていく。
    「大黒柱」を受け入れながらも、緩やかに 絆を守り続ける。
    新たな四月一日(わたぬき)法が生まれたのは四月一日(わたぬき家+4の団結力が備わっていたからである。


    これが、「四月一日(わたぬき)家の家族の在り方」である。
    そして、それは「日本の家族の在り方」を変えてしまう、根源的な「在り方」なのかもしれない。


    20歳を迎えた さくらの笑顔が物語っていた。

















































































    「日本の家族の在り方」を問う、重要なエッセンスを含んだホーム・コメディだった。


    とある山奥に、家族経営で守り抜いてきた“昭和の旅館”があった。
    亡き両親が残した、その建物と四月一日(わたぬき)家9人にのぼる兄弟達。
    答えを言ってしまおう。兄弟達は実の子ではなく、全て養子として引き取られた子供達だった。


    そういえば、「3つ子」「双子」が 並ぶと、それぞれ顔が違えば、身長も違う。
    私たちは、実の兄弟とばかり思い、舞台を観ていた。当初、大きな疑問が浮かばなかったのは、あまりの仲の良さ にある。


    旅館内従業員居住スペース=茶の間のシチュエーションで、複数のドラマが同時進行するため、まず飽きることはない。
    消費者金融の兄ちゃんの存在が、舞台に よりダイナミズムを与えていた。

    「押入れの中の人」の存在を感じながら観劇するのは、気持ちいいものだ。茶の間にいる四月一日(わたぬき)家の面々は知らないからである。
    その意味で言えば、さくら と “謎の王子様”は出番こそ少ないものの、舞台におけるボリュームだと思う。

    『劇団14歳』という名の演劇団体を把握する観客はいるか。
    主に、池袋などで上演を重ねている。テーマは、「この時にしかない、魅力」だ。

    年齢はズレるが15歳で養子の事実を押入れで知ってしまった彼女は 、この事実に対し どう対応すればいいのだろうか。さくらの体操着姿は、女子中学生にさえ見える。

    「日本の家族の在り方」を存分に感じられた反面、現実と向き合った作品だった。さくらの大泣きぶりは、養子を認識したことが成長のマイナス要因になることを印象付ける。

    複雑、混乱、世の中、現実…。


    「日本の家族の在り方」は、世界各国の中で極めて保守的な基盤がある。
    「捨て子」の最大の原因は、金銭的理由ではなく、「非摘出」等々の出生背景である。

    仏の新しい女性大統領・ロワンド氏は、夫と事実婚の関係にあり、非摘出の子供を持つ。
    例えられるケースが最近多いが、では日本の首相に非摘出の子供を持った事実婚を続ける人物が就任できるか。
    西武グループ総帥・堤康次郎は隠し子がいたが、新聞・雑誌に追求されなかった。それはメディアを抑え付けるポリティカル・パワーを振りかざすことが可能だったからだ。



    養子と非摘出は、全く次元の違う問題だろう。しかし、いずれも保守的な家族意識下、排除されかねない「少数派」だ。

    それを、肯定することは、社会と断絶しなければならないことを意味する。
    “双子”だったはずの兄弟が、養子と聞かされ、混乱する姿は まさかに「日本の家族の在り方」に基づいた反応だった。
    20歳の“双子”のうち、女は激怒。男は沈黙。15歳の さくら は大泣き。

    これは、四月一日(わたぬき)家の呼び方「大黒桂」(だいこくかつら)か、社会の「大黒柱」(だいこくばしら)を 取るのか、という問題に置き換えることができる。

    簡単に示せば、“長女”を筆頭とする上の兄弟6人が「大黒桂」を呼び続ける、下の3人が「大黒柱」に直したい、だった。

    結果も、言ってしまおう。
    答えは、家庭憲法「四月一日(わたぬき)法」を修正し、各人が自由に暮らしながらも「繋がり」を大切にしていく。
    「大黒柱」を受け入れながらも、緩やかに 絆を守り続ける。
    新たな四月一日(わたぬき)法が生まれたのは四月一日(わたぬき家+4の団結力が備わっていたからである。


    これが、「四月一日(わたぬき)家の家族の在り方」である。
    そして、それは「日本の家族の在り方」を変えてしまう、根源的な「在り方」なのかもしれない。


    20歳を迎えた さくらの笑顔が物語っていた。









































































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    2013/06/14 00:34

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