ビョードロ 終演いたしました!総動員2097人!どうもありがとうございました! 公演情報 おぼんろ「ビョードロ 終演いたしました!総動員2097人!どうもありがとうございました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    テーマ性があって分かり易く、
    人類の愚かさ、因果応報を描いたファンタジー。

    ネタバレBOX

    前回公演と同じような演劇空間は、正直予想外で驚きました。しかし考えてみれば、前回の廃工場にしても鉄パイプが張り巡らされているようなタイプのものではなく、建屋から機械を撤去した四角い空間であり、そういう意味ではどこの劇場だって四角い空間、シアターコクーンでだってできますね。

    さて、ビョードロとは細菌やウイルスを扱う森に棲む民のこと。二人のビョードロから作られたトゲトゲのある幼子が、開発依頼者の男の指示に従い、言われたところに出掛けて行くとその土地の人々は死に絶えます。そう、幼子は生物兵器でした。生物兵器が擬人化されたことで分かり易く、よりファンタジーになりました。

    ウイルスが空気感染するように変化すると、男はビョードロにワクチン開発を依頼します。しかし、ワクチンを作るにはビョードロ二人の血清が必要なのですが、ビョードロの一人は男とビョードロの母親との間に生まれた子で、町に住みたいと言い出したことを忌み嫌った男に殺されていたこともあり、血清が完成することはありませんでした。

    ウイルス感染を防ぐために、ビョードロが善意で人間の友達に防護マスクを渡したことが仇となり、これ以上の生物兵器を作ってはいけないとようやく悟った男が防護マスクを目印にビョードロと思って刺したところ、実は我が子だったという結末は、人類の普遍的悲劇であるとともに、古典的、因果応報的親子関係の悲劇でもありました。

    幼子は最後、残ったビョードロによって栄養を断たれ衰弱死しました。とりあえず、人類の危機は避けられたのかもしれません。

    トゲトゲのある衣装は、人間の身体に如何にも悪そうで意外と可愛いものでした。

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    2013/06/03 20:51

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