満足度★★★★
やはり,二列めにしておく方が良かったかも。
下北沢Geki地下Libertyで,『蒲田行進曲』を観た。
ここは,とても小さな劇場だ。さらに,予約しておいたので,一番前にすわることができた。ラッキー!と思っていると,私の隣にすわった人が,少しして一列後ろに退避したのを見た。これは,何を意味するのだろうか。有名な階段落ちで,人間が飛んで来るのかと心配して前列を嫌ったのだろうか?といったことをもやもや考えていると,係員が急にカメラワークなどの指示を出し始め,演劇は始まっていた。
最初のシーンを取る,カット!という声とともに,どやどやと,新撰組と,坂本竜馬の切りあいが始まった。なかなか凄い殺陣だな!と思っていると,目前でちゃんちゃん,ばらばらやっているので,自分の頭も叩かれるのではないかと,心配になった。やはり,二列めにしておく方が良かったかも。
『蒲田行進曲』は,良い演劇だったと思う。一番感銘を受けたのは,ヤスと小夏の場面だ。やっぱり,銀四郎だって,本当のところ生きることにあって器用ではない。だけど,名優である銀四郎に降りまわされるヤスと小夏は,実に気の毒だ。でも,そのような中でも,ヤスのことを親身に気遣い,そして,小夏にまで優しく接する故郷の母の存在は感動する。しかし,そのようなヤスは,自分自身の役者生命と,会社の命運を賭けて,階段落ちの危険な仕事を引き受けてしまうのである・・・
2013/06/04 17:15
ヤスと小夏は盲目的に銀四郎への愛を貫きますが、仰るように、1番生きるのが不器用なのは銀四郎なのだと思います。ヤスが最後に命を賭した大勝負に打って出るのも、それまでにいびつな形で注がれ続けた銀四郎の愛へ答えるためのものだったのでしょう。
私も色々な愛の形を学ばせて頂きました。
機会がございましたら、また御意見を頂ければ幸いです。
ありがとうございました。
インソムニア主宰
佐竹海莉