満足度★★
切れの良いダンス
ジャズダンス系のダンサーによる公演で、小難しいをこと考えずに、音楽に合わせて身体を躍動させる楽しみが伝わって来ました。
基本的に1曲毎に作品として完結していて、前半6作品、後半7作品ありました。
前半初めの3作品は真面目な雰囲気の作品でしたが、4番目は『踊る大捜査線』のパロディーで、衣装や小道具で笑わせようとする安っぽい受け狙いが残念でした。
後半1番目はマイケル・ジャクソンの曲を用いていて、振付もMJを意識した鋭角的なもので迫力がありました。
3番目はインド映画の大勢でのダンスシーンを思わせる作品で、他の作品が感情を表現する叙情的な振付だった中で、叙事的な振付が異彩を放っていました。
白シャツ・黒パンツ・眼鏡の揃いの格好で椅子に座って踊った5番目の作品は、音楽の雰囲気も含めて、オハッド・ナハリンさんの代表作である『アナフェイズ』に似ていて、オリジナリティーが感じられませんでした。
全体的に音楽が表現する情感に乗っかり過ぎている用に思われ、振付も客席に向かって心情を訴えかけるようなものが多くて、自身を格好良く見せようとするナルシシズムを少々感じましたが、動き自体はダイナミックで切れが良く、また作品毎に衣装も着替えていたので、視覚的に楽しかったです。
物語や感情を感じさせずに、純粋にムーブメントやフォーメーションを見せるアブストラクトなタイプの作品も入れると、良いアクセントになると思いました。