飛ぶ痛み 公演情報 キリンバズウカ「飛ぶ痛み」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    違和が手を握ってる気がしてならない。
    基本線、本当に素晴らしいんである。

    『S高原から』を意識させる美術に始まり、そこを這い回る役者の妙があり、
    静かなのに会話がいい感じにうるさくて、ドラマがガチガチに構築されていて、
    不満が入り込む要素がないはずなのに、違和が残ってしょうがない。

    あるいは、キャラクタや物語に対する残酷さが鮮やかだったからだろうか。
    それは“軽み”とすることもできるし、“ぺらさ”とすることもできる。
    もちろんそれは、魅力になるだろうし、実際に“軽み”が功を奏したように思う。
    ただ、最後のエンディングに着地する根拠が、あまりにも希薄なのだ。
    少なくとも“あの二人”の切実さが、いまいち感じられなかった。
    たぶん、そこが違和なのだろう。

    とにもかくにも、早く次が見たい団体であることに違いはない。
    関西の秘密兵器から王子の核弾頭となる日は遠くない、と思うのだけど。

    ネタバレBOX

    メタなことを考えると、痛みを飛ばすって、演劇そのものなんじゃなかって。
    舞城王太郎の言う「愛は祈りだ」に通ずるような設定だった気がする。
    もちろん、こればかりは根拠のない戯言なんだけど。
    少なくとも、作者の苦悩(痛み)が感じられた作品だったと思う。

    今回、いちばん残念だったのは、笑い屋さんがいたこと。
    会話劇で一回一回大きく笑われたのでは、ちょっときついものがある。
    こればかりは不運と思って諦めるほかないのだけど。

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    2008/04/30 04:11

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