満足度★★
興味深い企画でしたが…
コンテンポラリー系の若いダンサーは自分で振り付けた作品を自分で踊ることが多いのですが、男性デュオのかえるPが女性デュオに振り付け、逆にかえるPが女性振付家に振り付けられるという分業の形を取った興味深い公演でした。
『gull』(振付:大園康司・橋本規靖)
1人はスキップやバレエのといったヨーロッパ的な重心の高い動き、もう1人は能や相撲の土俵入りといった日本的な重心の低い動きをする対比的な展開から始まり、次第にユニゾンになっていく構成の作品でした。終盤まで音楽が使われないので、音楽に合わせて踊り出す時にカタルシスを感じました。
所々のムーブメントに新鮮味が感じられましたが、マイム的な動きには惹かれませんでした。中村蓉さんの動きが美しかったです。
『亜呆とつむじのリズムたち。』(振付:山下彩子)
前半はタンクトップにタイツ姿、後半はブロンドのカツラにワンピースの女装の姿で沢山の台詞を織り込みながらコミカルに踊る作品でした。
演出として印象的な場面がありましたが、振付には魅力を感じませんでした。
劇場の内外で繰り広げられる奇妙なパフォーマンスを見て怪訝な顔をしながら通り過ぎる通行人の反応が観客の笑いを誘っていましたが、見られていると思っていない通行人を劇場の中からガラス越しに笑うのは失礼だと思いました。