名探偵を探せ!Qの喜劇 公演情報 劇団ヘロヘロQカムパニー「名探偵を探せ!Qの喜劇」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ひさびさ本当の「若さ」と「情熱」を観せてもらった(おじさん眩しーΣ(゚Д゚)
    新人さん中心の舞台、という事で
    「演技、演出などどのくらいのレベルなのだろう?(脚本も)」
    とまったく想像がつかない状態で観劇。

    案内パンフの「裏方中心でやってきた彼らの初の主演公演です」といった内容や
    前説の脚本担当?の方が「自分は今年10年目で~」と言っていたのもあり、
    「”新人”とはいいつつ、10年近くヘロQさんに関わってきた、
    そういう人たちの晴れの舞台、という事なのかな?」
    という目で(ある程度の熟練者、というイメージで)観劇しました。

    しかし、最後の挨拶で「ヘロQに関わってまだ3年未満」
    というお話を聞いてかなり驚きました。
    (実際の役者歴はもう少し長い人もいるらしい、とファンの方達の会話で聞きましたが)

    ダンスなどの細かい部分を見れば一糸乱れぬには程遠い、
    演技についてもセリフの量や内容などによりうまく演じられている人から
    かなり「読んでいる」感が出てしまっている人もいました。

    そういう意味でアラを探せばヘロQの大御所のみなさんや
    他劇団で一線級で役者をやられている方からすると
    まだまだな部分もある(んだろうなあ)と思いつつも、
    (そういう部分が全然気にならないぐらい)
    自分は十分に惹きつけられてしまいました。

    最後、劇がクライマックスに入っていくに従って、
    演技というより多分感情自体が入ってしまって、
    涙目で演じられている人もいましたが、こういう部分に
    「役者としての上手さ」とはまた違った「若さ」や「情熱」を感じました。
    (終わった後で感極まって泣きだしてしまう演者さんまで)

    始めての主演舞台という緊張感や、
    お客さんを喜ばせよう、自分の役を演じきろう、
    喜劇なので「笑いをとっていこう」とそれぞれについて
    いい意味でのアグレッシブさが前面(全面)に出ていて、
    観ていて演技というよりその熱意のようなものに
    自分のようなおじさんは何かひさびさに
    いい「若さ」に触れられたような気がします。

    今後、再び大物役者陣の影に隠れてしまうのではなく、
    どんどんこういう若手も使って行ってほしい
    (あるいはヘロQ内で新しい勢力を作ってしまっても
    よいんじゃないか?(前進座NEXTさんのように))
    と思うぐらい、今後が気になるみなさんでした。

    お話の構成として「喜劇」「半分ミステリ」「感情劇・感動劇」
    「アクション」「ダンス」など、この「新人」達がどれだけの芸、演技を
    身に着けているのかをみせる為か、いろいろな場面を用意されていましたが、
    前半の笑いのパートはともかく後半の「感情劇・感動劇」の
    部分に「ストーリーの流れとしてのムリ」を感じてしまった為、
    100点満点からは遠い部分もあると思いますが、
    自分が終演を目にして、劇場を出て、
    「満足できた」という意味では80点~90点、
    ほんと今後この役者さん達
    (もう主演を張っているので「新人」とは呼べないです)
    の今後が見たいなあ、と思いました。

    ネタバレBOX

    「ネタバレ」欄では、まず(悪い意味のみでなく)自分が気になった点を

    (1)本舞台内容を
      1.各自の自己紹介+アピール
      2.探偵クイズ
      3.半ミステリ(探偵パート)
      4.感情・感動劇
      5.締めくくり
      とした時に、「探偵(志望、ファン)として集められた面々」なのに
      3.から4.への移行でムリが色々あったかと・・・

      ○ 探偵パートが終わって「めでたしめでたし」な所に
        いきなり「関西」が「東大」に絡んでいく形で
        場面の空気を変えようとする。
        (なぜ絡むか、の理由が弱すぎる。
        せめて探偵パートまでで「東大」が
        あまりに頭でっかちで嫌な奴的に絡んでいた、
        などしてれば、「関西」が空気を壊してでも
        つっかかる理由になったかと)

      ○ 4.でそれぞれの現実や内面を語るパートで、
        「探偵」ネタがまったく絡まない話になってしまった。
        各自の実際の心情を語る部分について、
        本舞台「名探偵を探せ!Qの喜劇」でいう「探偵」、
        という部分がもう少し絡んだ形での設定にできていたら
        そのまま上手く話が繋がったと思うのですが・・・
        (今までのお話を完全にぶったぎり形で
        このパートが入ってしまったので、
        折角の熱のこもった演技について、
        (周りの観客は泣いている人もいたのに)
        自分はいまいち入り込めない部分がありました。)

        また、ここで「探偵」という設定を一度離れてしまった為、
        5.でマスターが「皆さん名探偵です!」といった部分が、
        「上手い締め」でなくなってしまった・・・
        (3.4.5.と繋がっていればいい締めだったのですが)

      ○ 特に「完全記憶」の人が男である理由が・・・
        序盤でも伏線的に「男?」みたいなつっこみを入れて
        感動劇パートでそのネタを展開させていましたが、
        特に男っぽさがどこかに出ていたとか
        そういうのを全く感じなかったので、
        このネタ自体にムリがあるかと・・・


    (2)新人皆さんを主役として立てた為か
      その設定や元々の持ちネタなどによって
      キャラが立つ人と立たない人が出てきてしまったように感じました。

      「関西」の人がテンションの高さと高度なモノマネを見せていた。
      (しょっぱな歌い出した所では、「わざわざカラオケで
      時間を割く程のネタなのか?」と疑問に思いましたが、
      その後も多くのレパートリーをそつなくこなしていくにつれ、
      「これだけで見事な芸である」と認識を改めました。)

      また、「主婦」の人の「最初から最後までずっと笑顔」が
      実はすごい事だな、と感動パートで感じたり
      (あと激しいダンスを褒めてる人も多かったです)、

      「壇蜜」の人の色っぽさ(本人実はこういうキャラが得意という
      訳ではなかったそうで、かなり頑張ったそうです)

      「整形」の人が申し訳ない話本当に整形っぽい
      (そういうメイクでしょうか・・・じゃなかったらすいません、
      あとしゃべりその他に自分はローゼンメイデン(アニメ)の
      水銀灯(CV.田中理恵さん)を思い出しました、すいませんアニオタで・・・)
      などに比べて、

      「東大」が東大、ハッカーというキャラ設定より
      アクションの方で目立っていたり
      (こっちが役者さん自身の特技、っていう事ですかね?)、

      「大食い」の人が食う、「壇蜜」の色香に惑わされる、
      実はすごい五感の持ち主である、という部分が
      ジョジョのカーズ様?風立ち方ぐらいでしかアピールできていなかったり、

      「完全記憶」の人は探偵パートまでほとんどなんの個性も
      出せていなかったかと(もっと完全記憶を利用したネタを
      投入しておくべきだったかと)・・・


      ・・・ああすいません、「数学者」が抜けてました・・・
      (というぐらい、目立っていないのです。
      わざわざ自分の彼女まで写真登場させたり、
      探偵クイズで数学者としてのすごさ、を見せていたはずなのに)
      特に半ミステリパートでは、自分だけ「探偵」役でなく
      「犯人」扱いされてしまっていた、というのもかわいそうでした。

      これはモチネタの有無(「関西」「主婦」「壇蜜?」)はともかく、
      あとは設定としての強さ弱さがモロに出てしまっていたかと・・・


      まあ、今回は「新人」全員を立てる、という公演の性質上
      仕方ないのかもしれませんが、
      本来ならば
      ・ それぞれの個性をアピールするのにもう少し時間を割く
        (序盤結構アピール差が出てしまっていたかと)
      ・ 「真の主人公」は1、2人におさえておく
      などの方がまだバランス的によかったのかもしれません。


    (3)その他
      ・ 舞台開演直後のダンスより、
        メイドさんのお誕生日おめでとう(これはネタですか?)
        ダンスの方がうまい、と感じた。
        +ダンスを入れる場面にもう少し工夫が欲しかった

      ・ 関さんがアドリブでペットボトルの水を実際に演者(特に壇蜜)に
        かけたりしてたり、つっこみ入れたりしてた部分は、
        「おまえら、喜劇なんだからもっと身体張って笑い取りに行け!」
        (まだまだ積極性が足りないぞ!)
        とハッパをかけているようにも見えました。


    など、気になった点はいくつか(書きすぎましたが)ありました。


    とそんな所を突っ込ませていただきましたが、
    本当に演技、演出、アクション、ダンス、など
    本当に「新人」でいるには惜しい、という所までいっていると思います。

    今回は新人主体の舞台という事で、チケット販売などの面で
    かなり苦労されたようですが、これだけちゃんと演じられる、
    という事を観せたからには次からは先輩達の力を借りずに
    自分達だけで客を呼ぶ、という事にもチャレンジしていけるのではないか、
    と思います。

    ヘロQさんもひさびさ新人劇団員募集を始めるなど、
    かなりの大所帯となってきた事もありますし、今後
    「舞台内でのベテランvs若手の対決」

    「若手公演」
    などを増やしていってもいいんじゃないかな?と思います。

    ヘロヘロQカムパニーさんというと
    座長の関さん長澤さん小西さんを中心とする
    今や有名声優勢やベテラン役者勢が中心となって引っ張ってきて、
    その方々を中心にファンがついている劇団、というイメージがありますが、
    その関さん長澤さん小西さんその他の方にしても、
    関さんのトークにもありましたが、
    「20年前にはたった8人?で立ち上げた」と、
    今回の若手8人と同様の状況からスタートしている、との事。

    今回、立派に演技を成し遂げた若手連中が、
    今後劇団を引っ張る中心になっていくんじゃないのかな?
    そういう可能性を感じる舞台だと思いました。

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    2013/04/14 21:13

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