木の上の軍隊 公演情報 こまつ座「木の上の軍隊」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    観ました
    太平洋戦争時の沖縄戦、縋って憎んで信じてぐちゃぐちゃになった新兵と上官の姿に訳もなく涙が溢れそうになり、どんな言葉で伝えていいのか堂々巡りの余韻が続いている。
    時代は移り変わっても、ヤマトの上官と島の新兵、井上さん、3人がいる沖縄は平成ではなく未だ昭和88年なのかもしれない。
    井上ひさしさんの宿題を蓬莱さんはちゃんと答えにして見せてくれたんだ、と思う。
    約2時間。

    ネタバレBOX

    照明の色加減によって、季節変化がわかりやすい。2年くらい時間経過してる割に髪や髭が伸びないけど、敵軍からの配給ゴミの中にカミソリでもあったんだろうか?ま、そこはあまり深く考えてはいけない事か。でも、刃物なんぞ入れてあったら、当時の日本男児なら自害の道を選ぶんだろうな、と思ったり。

    ガジュマルの木の下には戦友の死体、アメリカ軍の戦闘は増し、2人の食料は底を尽き、ヤマトの上官と島の新兵の上下関係や信頼も薄れていく。
    国から使い捨ての様に扱われる島、どこか現在の日本の構造も透けて見える。
    帰りたくとも帰れない故郷、極限に追い込まれ日本人としての威厳や誇りなど、葛藤を越えた後の上官の絶叫が胸に突き刺さる。
    これまでも山西さんは上手な俳優さんと思っていたが、今回の山西さんはこれまで以上に凄かった。あのセットなら多分足はキズだらけなんじゃないだろうか。傷薬と共になんか賞あげてもいいじゃないか。→あくまで個人の意見ですよw。

    ガジュマルの精霊の語り手、片平さん。きれいな声で真っ直ぐな役柄。井上さんが書いた場合、この語り手さんは方言や沖縄の三線がかなり多用されそうな役だと思った。
    新兵の藤原さん、朴訥さのある表情から憎悪や苦悩、瞬時の感情変化に目が離せなかった。

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    2013/04/12 03:58

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