満足度★★
昼の部鑑賞
100分程度の中編2本立てで、どちらも恋絡みで悲しい結末を迎える女を描いた作品でした。
『妹背山婦女庭訓 三笠山御殿』
恋慕っていた男を追って来たところ、他の女と結婚することを知って嫉妬に狂う女の物語でした。
長い作品の一部分なので人物関係やストーリーが分かり辛く感じましたが、義太夫や舞踊や立ち回り等、様々な要素が盛り込まれたバラエティーに富んだ内容で楽しめました。官女達がいびる場面でコミカルな雰囲気の中に冷酷さが増して行くのが印象的でした。
『暗闇の丑松』
義母や兄貴分夫婦の欲によって無惨な状況に陥る夫婦を描いた物語でした。
台詞が現代語に近く、舞台美術も立体的で、明暗のレンジが広い照明や録音の効果音を用いたりと古典的な作品に比べるとかなり分かり易い作品でした。
独特の台詞回しや見栄、ケレン味のある演出等、歌舞伎の様式性を感じさせる要素が用いられていなくて、普通の時代劇のように見え、ストーリーや演技は悪くないものの、あまり興味を持てませんでした。