満足度★★★
不思議な魅力
先輩のお薦めで拝見したが、僕にはその凄さがいまいちわからなかった。
だが、印象に残る、興味深い点はあった。
それは役者の演技。特に主演の男性の演技。(女性の演技もよかったが。)
これは演出によるものか、俳優の個性なのか、単に「俳優」としての身体訓練がなされていないためだけなのか、理由はわからないが、この俳優の感じはとても印象深かった。
どういうことかと言えば、所謂舞台に乗る「役者」の演技ではないのだ。
声を張らない。声が通らない。ボソボソとしゃべっている。
これは、一般的な是非で言えば、否定されかねないものだが、
私にはとても興味深く思えた。
演出ならアッパレだが、他の俳優の演技は同質ではないので、
役者の個性か、単に訓練不足かのどちらかだろう。
職業俳優を舞台でやろうと思ったら、この身体では通用しない。
広い舞台では台詞が聞きとれないなどということが起ってしまうからだ。
だが、小劇場ならば、むしろ非常に面白い。
もしくは、すべての台詞が観客に聞きとられる(言語的意味が伝達される)必要がない舞台の演出作品ならば、大きな武器になる。
そんな作品に出てほしい。
もしくは、そういう作品を作ってほしいと思ってしまった。
ちなみに、これも一般論だが、映画ならば、むしろ、ああいう演技の方が良い部分もある。
私の勝手な意見では、あの俳優さんには、あのまま、あの感じを活かす(一般的な意味での「俳優の身体」を身に着けない)俳優になってほしいと思ってしまった。職業舞台俳優(映像は別)をめざす場合、特殊な演出家に出逢わない限り、かなり難しいことだとは思うが、、、。まぁ、余計なお世話ですね、すみません。
また、タイトルが思わせぶりな「美しい国」だったのに、
表面的にも、そしてどう深読みしようと思っても、
「美しい国」の意味がよくわからなかったのが残念だった。
勿論、安易な解釈はできる。
この言葉「美しい国」は、当然この作演出家も意識して付けたのだろうとは思うが、
現首相の安倍晋三が、第1次安倍内閣〈2006.9~2007.9)時に基本理念のようなものとして掲げた言葉だ。『美しい国へ』(2006.7)という著書まで存在する。
民主党政権から自民党政権に戻り、極端な右傾化が懸念されている今日の社会状況の中で、「美しい国」をテーマにすることの意味をもう少し考えてほしかった。
勿論、安易に社会的な問題意識を持ち込むべきだと言いたい訳ではない。
今回の作品のように、その歪んだ日常に目を向ける在り方は間違ってはいないと思う。ただ、その視線の向け方が、なんともステレオタイプな感じがしたのだ。
と、厳しい意見を書いて、すみません。
期待をして書いているので、悪しからず。
安倍首相は、今年の1月20日に著書『美しい国へ』の完全版『新しい国へ 美しい国へ 完全版』を上梓しました。
ぜひ、「新しい国」という続編など作っていただけると、、、と思ってしまいます、、、
勝手な意見ばかり述べて、すみません。