壺を割った男 公演情報 舞台芸術集団 地下空港「壺を割った男」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    嘘と真心?
     前説が入れ替わり立ち替わりのドタバタで幕開けという趣向は面白い。これが、最後のシーンの悪戯と響き合って、間に入る物語をサンドイッチしている。当然のことながら、前説のドタバタは、本編の予告も為している。

     嘘が嘘を呼び、その嘘が新たな嘘を呼ぶ連鎖構造を丁度マトリョーシカのように入れ込んでいるのだが、その外壁は、嘘で固めた原発推進派の説明のように危うい。無論、この作品がそんなにシリアスな事を演じているわけではない。単なる比喩である。
     

    ネタバレBOX

     唯、作家は、敢えてシリアスな世界をシリアスに描くことは避けたのだろう。漸く年間自殺者が3万人を割ったと報じられた我が国の自殺率が高いことは言う迄もないが、中でもポスドクの自殺率は際立っている。3万人を越え続けた高い自殺率のアベレージの確か20数倍以上であったと記憶している。この問題をきちんと扱えば、大変大きな問題を提起する作品になることは誰にも分かるだろうが、喜劇に仕立てるのは相当の才能と困難が伴おう。それもあってか、主人公はマスター出で元カノを追い掛ける嘘つきだ。彼の嘘でない所は二つだけ。いや、一つが二つに分かれたとも取れる。彼女を本当に好きなことだけだ。彼女をゲットする為なら、どんな努力も厭わない。それで彼女が進む大学へ、更に院へと進んだのだ。勉強は決して好きでもないのにこんな努力をしたことをもう一つの真と考えるか否かで意見が別れる所だ。この位の軽いノリで見ると楽しめる。

    0

    2013/02/27 01:47

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大