満足度★★★★
蝙蝠
設定されたエルマフロディットとしてのやまと たけるは、いわば蝙蝠の立場である。鳥でも無く獣でも無い。薄気味悪いとされ、忌み嫌われ、恐れられ、蔑視もされる者の代表格だ。
古事記をベースとしているということもあろうが、物語の文法をキチンと踏まえたシナリオと、出口なしのエルマフロディットが、自身納得できる人生航路への出口としてのアイデンティファイの方法を発見した点に、作家の才能の芽と方向の正しさを見る。役者陣は若く、まだまだ修練を積まなければならない者も多いが、一所懸命に役に体当たりしている姿勢に好感を持った、主役の女優は、変幻するヲウス・たけるを好演。