獣のための倫理学 公演情報 十七戦地「獣のための倫理学」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    緻密
     殆ど覆すことが不可能と見えた事件を、ワークショップという仕掛けで見事に解体再構成して観客に納得させる手際は見事だ。
     自分が、十七戦地の作品を見るのは、今回で2度目だが、会場は2回とも、ギャラリー空間としても使われる場であった。おまけに、ちょっと探す、というか都会の隠れ家的な場所で、詩人が好む空間領域である。シナリオの密度の高さと演技密度は、作家及びこの劇団のポエティックなセンスを表象しているのかも知れない。

    ネタバレBOX

     冤罪を含め、この国の司法は好い加減、という印象を免れない。自分が、今迄出会った切れ者、鬼と言われた検察官の言動を直に聴き、また、様々な冤罪被告関係者からの話を聴いてそう思う。また、責任を負うべき者が負わずに不問に付されるケース、それを追求しても記事として配信されないケースは自分自身の体験として持っている。だから、自分は、この国の力を持った官僚や権威を余り信用していない、と言うより信用できない。選良と言われる連中が如何なる出鱈目をやって来たかも、例えば、原爆に関して証拠を挙げることができる。実際、この国の民度に関しては、近代レベルに到達していないのである。そのことを、前近代の村八分というコンセプトで、この作品は表現して見せた。無論、東電福島第一原発事故に纏わるあらゆる嘘、詭弁、隠蔽、原子力村体制等も含み込み、タブー迄射程に収めた作品と見ることもできよう。 

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    2013/02/21 02:09

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