満足度★★★
心地良いナチュラル感
ダンサーとミュージシャンのコラボレーションによる作品で、「ふりつけされたえんげき」と題されている通り、身体表現をメインにしつつも一貫性のある物語を感じさせる内容でした。
以前に工業高校で同期だった女性2人が東京で偶然出会って同居することになりつつもお互いに手紙のやりとりをするという不思議な距離感が描かれていて、特にドラマティックな展開がある訳ではない淡々とした描写ながら、退屈さを感じさせませんでした。
各エピソードをあまり詳細には描かず、色々と想像を巡らせる余白を残していて、開放的な雰囲気があって心地良かったです。
ホナガヨウコさんの動き・台詞も、木下美紗都さんの歌もあざとさのない自然体な雰囲気で、表現が素直に伝わって来る感じがありました。
70分と少し短めの上演時間でさらっと終わるのも後味が良かったです。
音や台詞と動きの関係が特徴的で、特にオノマトペを連ねた歌詞とシンクロして動くシーンがユーモラスで印象に残りました。
前半はマイム的な動きが多く、動作の止まり方が美しかったです。終盤ではホナガさんらしいキュートなダンスもあり楽しかったです。
セットや照明も手が込んでいて良かったのですが、作品の持つ穏やかな雰囲気に対して少々主張し過ぎなところがあったのが勿体なく思いました。