ドッグヴィル 公演情報 東葛スポーツ「ドッグヴィル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ダンシング・イン・ザ・ダーク
    家や道路が床に白線で書かれただけの空間の中で人間のおぞましい面が明らかになって行く様子を描いた映画『ドッグヴィル』(ラース・フォン・トリアー監督)を、全編ラップの台詞でヒップホップテイストにカヴァーした作品で、癖になる脱力感と時折見せるエッジの鋭さが魅力的でした。

    映画と同様に白ビニールテープで家や道路が表され、壁面に映画の各章の冒頭から数分が映された後、役者達の演技に引き継がれる構成で、時には映像をチラチラ見ながらシンクロして演じる場面もありました。
    レイプシーンや主人公が大事にしていた人形を壊されるシーン等、エグいシーンはカットしたり可愛い表現に置き換えられたりしていて気楽に観ることが出来ました。時事ネタや演劇業界ネタが楽しかったです。

    最終章の主人公と父が車で街を出る場面で急にミュージカル映画『バンド・ワゴン』の『ダンシング・イン・ザ・ダーク』のシーンが映され、それに合わせて役者2人が外に出て夜の公園で踊るのですが、『ダンシング~』の最後が馬車に乗り込んで終わるのと『ドッグヴィル』のラストシーンが繋がり、さらにトリアーさんの前作のタイトル『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を想起させつつトリアーさんが偽善的な「良きアメリカ」を嫌っていることにも繋がり、幾重にも意味を重ね合わせた見事な演出となっていて素晴らしかったです。
    ちなみに外の公園ではサイリウムを持ってヲタ芸の練習をする若者達が沢山いて、その中を駆け抜けていく様子がシュールでした。

    ラップがビート乗り切れていない箇所が結構あったり、マイクがハウリング気味でリズムトラックとのバランスも悪くて台詞が聞き取りにくかったのが残念でした。

    0

    2013/02/11 22:46

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大