満足度★★★
店内を漂う幽霊達
大橋可也&ダンサーズの写真集の出版に際したアートブックショップでのインスタレーション展示の関連企画で、男1人と女3人のダンサーにチェロの生演奏が加わった、殺気とエロティシズムが感じられるパフォーマンスでした。
前半は4人のダンサーがそれぞれに店の中をゆったりと移動し、時には店の外にも出て踊り、後半はエントランスのギャラリースペースと店内の照明が消された店内とに2人ずつに分かれて踊る構成でした。
いわゆるダンサンブルな動きはほとんどなく、もがくような動きの振付でしたが緊張感があって引き込まれました。時折急に走り出したり、螺旋階段を上り下りするのが不穏な雰囲気を生み出していました。
ダンサーの写真が貼られていたり、窓のガラスに姿が反射したり、踊る姿をリアルタイムで壁に投影したりと、ダンサーの像が増殖していく様が、まさにタイトルになっている幽霊の様でした。
展示スペースには音がフィードバックするようにベースとアンプがセッティングされていて(実際には音を出していませんでした)、映写された壁面をカメラが撮ることによってフィードバックする映像と相似形をなしていたのが興味深かったです。