満足度★★
意外と真面目な内容
『マッチ売りの少女』や『みにくいアヒルの子』といったアンデルセンの有名な童話のパロディーで笑わせるコメディータッチな内容かと思いきや、次第に反戦のメッセージが浮かび上がって来る作品で、子供向けな感じの宣伝をしていたわりには大人向けの内容でした。
父親の葬式を終えた男の所に、原作とはどこかずれているアンデルセン童話の登場人物達が現れ、現代、男の両親が若かりし頃の時代、童話の中の世界の3つの階層を行き来しながら展開する物語で、タイムマシン→アインシュタイン→相対性理論→原爆と戦争の話に繋がり、押し付けがましくない優しい雰囲気で戦争反対を訴えていました。
童話の世界のシーンでいかにもな大袈裟な演技をするのは演出として理解できるのですが、個人的にはただ騒がしいだけに感じてしまい、もう少し落ち着きが欲しかったです。
田口トモロヲさんの生の演技を観るのは初めてだったのですが、息子を認識出来ないくらいにボケてしまった老人から、変顔ではっちゃけまくる劇団長まで、幅広く楽しそうに演じていて魅力的でした。
4人の奏者の生演奏と役者達の歌は、クラシックからサルサ、ロックまで幅広い曲調で、楽しめました。
照明は多くの色や点滅を多用していて、演出過剰に感じました。