生きてるうちが華なのよ。 公演情報 グワィニャオン「生きてるうちが華なのよ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ゾンビだらけ
    場内案内やパンフ渡し、トイレの案内までゾンビ尽くしで楽しめました。私は勇気がなくて席案内を頼めなかったのですが、他の方のご案内を楽しく拝見しました。休憩もストップモーションで楽しませるなど、サービス精神旺盛な作品でした。ただ、3団体合同のためか、とにかく人が多い、話が長い、と質より量みたいな感じが否めませんでした。ゾンビの案内も、捉えようによっては不親切です。隣に普通のスタッフをつければ、遊びも出来るし、親切だったと思います。休憩のストップモーションは面白かったです。

    ネタバレBOX

    脚本は、ゾンビ愛は届きましたが、色々とツメが甘い気がしました。最も気になったのは、頭を撃てばゾンビ化しないという設定が守られない点です。自衛官が自決の覚悟までしていたのに、娘に頭を撃たせた父親が立ち上がった瞬間、涙が引きました。娘も「歯を抜いてください!」って、爪で引っかかれてもダメなのに…東京電力の手袋、先にさせとけばいいのに…殉職した自衛官も、トラックに乗せたら処理が大変だろうに…と疑問だらけになりました。

    離婚夫婦の妻は、なぜ戻ったのか?喫茶店の面々だけが、理性(記憶?)を維持できたのは何故か?親が子を食べるほどの狂気をもたらすウイルスに対抗できるほど、行き着けや経営する喫茶店に執着するのは、現実味に欠けます。ウイルス感染後、発症までの時差も根拠がなく、ちぐはぐでした。エピソードを削って、純粋にルール抜きのパニックものにした方が良かった気がします。

    話は、離婚夫婦、夫と子を亡くした女、逃げてきた親子、葬儀屋とチンピラ、喫茶店、自衛隊に大別できるようですが、喫茶店の場面がゾンビメイクだったのは、違和感がありました。女が急にゾンビに食べられに行くのも唐突な感があります。自衛官が仲が悪いのも必然性に欠けますし、ひとつひとつは悪くないものの、関連が薄く、冗長な感が否めません。エピソードの順番が違えば、違った見方ができたかもしれません。細かい笑いや展開は良いのですが、軸が甘く、小手先に頼った感じが残ります。

    良かったのは、人数が多い分、迫力があったことです。特に、アクションで宙返りをする所は、見応えがありました。カーテンの開閉で、街の様子と室内の様子がはっきりわかる点も良かったです。特に喫茶店のくだりで、外で襲われる女性と店内の様子が好対照でした。チンピラと連れの女のくだりは、ありがちで楽しめました。ロッカーからゾンビが出てくる所は、本当に驚きました。自衛隊の隊長が頼りない所は、面白かったです。歯医者や出会い系は良い伏線でした。着ぶくれモコモコ隊も良かったです。個々の演技は優れているのですが、活かしきれていない気がします。

    最後に、個人の意見は様々ですが、今日の世論を見ていれば、東京電力を英雄視するのは、いただけません。社員の大半に非がないこと、緊急時には頼らざるを得ないことなど理解はします。ただ、活躍が目につきますので、架空の電力会社にするか街の電気屋の方が良かったと思います。本作を福島から非難している人、その家族、友人に見せられますか?ガスや水道も軽視されているし、一般的な配慮不足を感じ、残念です。

    大人数でやるには、舞台が狭すぎた気がします。沢山登場するシーンを増やしたり、映像でパニックを見せれば、もっと迫力ある舞台になったと思います。ただ、今回は初めての企画とのことで、これからの健闘を祈ります。

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    2012/12/16 16:56

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