満足度★
趣向が活かされず
希代の女たらしとして有名なドン・ジュアン(ドン・ファン、ドン・ジョバンニ)の物語をミュージカル化した作品で、全員がクラウンの赤鼻を着けていましたが、その設定が活かされてないように感じました。
客入れ時から役者が舞台上にいて、観客にちょっかいを出したりしている内に、バニーガール姿の狂言回しが登場して始まり、身を滅ぼす男の物語が歌やダンスを伴ってコミカルに描かれていました。
アンサンブルは出番がない時も舞台奥で待機していて、ステージ上で起こることに対して歓声をあげたり、必要性が感じられない小芝居をする学芸会的な演出が煩わしく感じました。
印象に残る曲がなく、歌もピアノ演奏もレベルが低くて、ミュージカル仕立てにした意味がないように感じました。
公演期間の前半と後半で異なる座組で上演され、さらに同じ組の中でも公演毎にメインキャストとアンサンブルが入れ替わっていて(そのことはチラシや公式サイトにも書かれていませんでした)、十分に稽古が出来ていないのではと感じました。
観客も知り合いや家族が出ているから来ている人が多かったようで、上演中に頻繁に話し声が聞えて来ました。
一般の観客の為ではなく、出演者や身内の為の公演に感じられて残念でした。