D51-651 公演情報 パラドックス定数「D51-651」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    戦後の変革
    面白い。乗車票に模したチケットがかわいい。
    ひとりごちる箇所が聞き取りにくかった。

    ネタバレBOX

    敗戦後のGHQ占領下に起きた「下山事件」を題材に混乱期の日本を生きる男を描く。

    パイプを組んだだけの舞台がヒンヤリとした作品にマッチして、とても映える。暗い照明も手伝ってヒリヒリした舞台が二時間続く。途中、車掌(西原誠吾)と下山(植村宏司)のシーンはコミカル調だったけど。ここ好きだけど。

    占領下において、公務員の削減が法定され10万人削減を迫られる国鉄。その矢面にたたされ、D51-651に轢断された下山。削減にに反発する労働組合。政治の問題と言い放つ役人(植村)。捜査の限界を感じる警官(加藤敦)。東京裁判も担当した弁護士(小野ゆたか)。シンプルなような複雑なような関係性でもって、話は暗闇の中を深く突き進む。
    満州鉄道から国鉄に移り、下山の部下だった機関士(生津徹)は解雇を免れ、労組に入っていた車掌は首切りにあい、警察に拘留される。車掌を助けるため、機関士と機関助士(井内勇希)は虚偽の証言を行うが…。

    「末端」と「権力」って構図。本作品に登場した人物は全員「末端」。
    この事件自体、公式発表なくして捜査が終了したという、いわくつき。誰が動かしているんだかわからない列車が真っ暗な道をひた走る。そんな「社会」の恐ろしさが詰まってた。
    救いは登場人物の暖かさというか人間らしさかな。みな、血の通った人間だった。

    戦後の変革期に起こった怪事件ではあるけど、現代日本も変革の必要性
    は高まっている。犠牲なくして変革はできないのが人間社会なのか。そしてその犠牲は誰が負うのか、と考えた。

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    2012/11/28 00:10

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