楽園 公演情報 モダンスイマーズ「楽園」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    いじめの構図
    廃墟となったホテルでのある1日の出来事を通じて、些細なきっかけからいじめが生じる様子が最初はコミカルに、次第に痛々しく描かれていました。

    5人の小学6年生がお互いに見栄を張って嘘をついたり、欠点をからかったりして、小さなコミュニティーの中で次々とヒエラルキーやグループが変化して行くのが滑稽でした。
    しかし、それを見て笑っている観客自体が、いじめを止めさせようとせずにただ見て笑っている間接的当事者と同じ立場にいることを思わせ、ジワジワと怖さを感じました。

    無理に子供っぽい声色にはしてないものの小学生として演技をしているのに対して、格好だけはその20数年後に就いている職業の姿をしているという演出が、演劇ならではの効果をあげていて良かったです。
    劇中で描かれた一日の後、どのような過程を経てその職についたのかを想像させて興味深かったです。

    5人それぞれのキャラクターがしっかりと確立されていて、息の合った台詞のやりとりの緩急も良く、演じている年齢と容姿のギャップもすぐに気にならなくなりました。
    気の強い女の子を演じた深沢敦さんがユーモラスで、終盤の悲痛な姿とのコントラストが印象的でした。

    0

    2012/11/09 09:07

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大