満足度★★★★
帰り道でじわじわくる
3日に女バージョン、7日に男バージョンを観劇。
「人間」を対象にした科学実験のような演劇。座組みで期待しすぎていた分、若干の食べたりなさは残るものの、客席にいて確かに植えつけられる「人間」への疑念が、観終わって渋谷の街に出てからジワジワ効いてくる感覚が面白い。
後半の小道具を使った見立てを、演劇的なレトリックとしてだけでなく、生活の中での「人間」が異様な「動物」に見えてくるように使っているような演出も面白かった。
女バージョンと男バージョンは、葉蔵とヨウゾウとの重さ/軽さのバランスが正反対に思えたのが印象的。幕切れの違いだったりを考えると、女バージョンのほうが葉蔵の痛々しい生きざまが強く感じられた分、好き度が強いかも。
にしても、劇団員はじめとするさすがの役者陣、照明、ターンテーブルを使用した音楽、スタッフワークetc同じ年代の劇団の中じゃ確実に頭一つ二つ抜けてるよなあ。