テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰 公演情報 テノヒラサイズ「テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    質の高い群像コメディ in 富士山頂
    先日、リンクス東京で初めて観て、またすぐに東京で公演されると聞いて気になり、行ってみました。

    ネタバレBOX

    <あらすじ>
    富士山で、山をまるごと地熱発電所に作り変えようとする
    大規模な国家プロジェクトが国交省の管轄で進められていた。
    山頂では、6社の民間企業の担当者が住み込みで、
    掘削機械や発電設備などの各部門で他社と競合し、
    契約を取るために働き、半年が経っていた。
    すでにプロジェクトから撤退したミツカネ産業(湯浅崇)は、
    富士山の模型作りなど無駄な作業をしながら居残り、
    周囲のストレスとなっていた。
    そんな中、電話番で一人になった大同電力(松木賢三)の前で
    噴火を知らせるランプが光って…。

    2年前に上演された作品のようで、
    震災後の今には少々デリケートな部分もあるようだが、
    それを感じさせない出来の良さ。
    今だからこそというのもあるのかもしれない。

    話のテーマ自体も面白いと思った。
    実際そう簡単に富士山で工事はできないだろうけど、
    SFっぽい設定は、ワクワクする。
    X-10とか出てくると特撮メカのように感じられるし。

    そんな荒唐無稽なプロジェクトが土台でも、
    そこでの会社間の人間模様はリアル。
    姑息な嫌がらせしたり、談合を持ちかけたり…。
    一方でつまはじきにされたミツカネ産業は
    ファンタジーワールドを作って妙な自信を持ったり。

    アフタートークに出られていた、手塚さんもおっしゃっていたが、
    要所でのリアルとフィクションのバランスが良い。

    それに、台本が巧く出来ている。
    最初は立場や存在意義が俄然弱いミツカネ産業が、
    トラブルなどで、周囲の人間関係が変わっていく中で
    立ち位置が二転三転、
    いつの間にか中心になって皆を鼓舞する立場になっちゃたり。

    また一つの仕事をするために集まった面々は、
    裏でいろんな思惑、事情を抱え、どうにもまとまりが悪いが、
    一大事のトラブルの際に心底、一致団結できるっていうのが
    ちょっと皮肉っぽさもありつつ、最後にはほろっと感動させられる。

    あと段ボールに工夫すると、色んな表現が出来るもんだなと。
    ま、○○○には一瞬しか見えなかったけど。


    アマヤドリの田中美甫さんがリンクスに続き、出られると言うので、
    ご本人と初めてお話した。
    素顔とは違う、妙に所々でパンチの効いてる役で面白かった。

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    2012/11/07 11:06

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