新譚サロメ   (改訂版)  公演情報 ウンプテンプ・カンパニー「 新譚サロメ   (改訂版) 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    複数の世界の重なり
    世界観に引きずられ、グルグルと巻き込まれるような、力強い舞台でした。不安定なようでいて、不思議に安定しているし、雑多なようでいて、まとまっているような、詩的な世界が美しかったです。

    ネタバレBOX

    どのような話かと内容が気になっていたのですが、戯曲『サロメ』そのものを云々ではなく、『サロメ』を基盤にしたオマージュ作品でした。『新約聖書』のものよりは戯曲の方がベースかと思います。
    戯曲『サロメ』の他にも、安徳天皇伝説や島崎藤村の詩が作品に盛り込まれ、雑多になるかと思えば、作品の中で見事に調和しています。『サロメ』の怪しい世界を引き継ぎながら、舞台を古き日本に移し、神話的要素を取り入れて、印象の異なる『サロメ』を創り出しています。劇中で挿入される声楽やピアノが特に印象的で、世界観が表されているように思いました。ピアノが見えない位置にいたため、最後まで気付かなかったのですが、あの場で生演奏されていたのですね。大変素敵でした。
    『サロメ』でありながら、まったく違う『サロメ』、楽しませていただきました。

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    2012/11/05 14:47

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