満足度★★★
意外と健全で古典的
タイトルがフランス語で「黒」を意味する単語で、サブタイトルでも「ダークサイド・オブ・シルク」と謳っている、大人向けのダークで官能的なサーカスとのことでしたが、肌の露出が多くても健康的な雰囲気で想像していたような暗さはなく、単純に様々な技を楽しめる作品でした。
クラウン的な役割のコミカルなキャラクターが場を繋ぎながら、直径4mの円形ステージの上でジャグリングや空中ブランコといった定番の演目を中心に様々な技が繰り広げる作品でした。金属で出来たフレームを回す演目が照明と相俟って、幻想的で美しかったです。
男性は上半身裸、女性は下着のような露出度の高い衣装で、鍛え上げられた身体が美しかったです。
客いじりが結構あり、フランス語と英単語で話し掛けても上手く伝わらないところまでを芸の一部としていて楽しかったです。
様々なテクニックを高いクオリティーで披露していて、とてもエキサイティングでしたが、アスレティック的・曲芸的な面が強く打ち出されていて、総合的な舞台芸術としての面白さはあまり感じられなかったのが少々期待外れでした。
ヌーヴォーシルクと呼ばれるヨーロッパやカナダのアーティスティックなカンパニー達に比べて、外見は派手でも中身は古典的な表現に見えました。
音楽が仰々しく、個人的にはもっと落ち着いた雰囲気の曲の方が大人向けな感じになると思いました。