期待度♪♪♪♪
龍
滝に打たれたことがある。数時間、滝の水を浴びていただろうか。さて、上がろうと滝の下を離れた途端、ぬるっとした石に足元を取られた。体は冷え切って自由が効かない。水深は、僅か数十センチ。而も凍えきって自由の効かない体で水底に手をついて体を支え、顔を水面に出すことすら難儀である。ヒトは自分一人、こんな浅瀬で死ぬこともあるのだな、と一瞬考えた。幸か不幸か、体を仰向けに横たえ、息を思い切り吸い込んで、体を浮かせることを考えつき、それでなんとか命脈を保ったように記憶している。あの時、小さな滝の口には、龍も居たのだろう。