満足度★★★
感情と感情の間
冒頭から意表をつかれ、着地点の見えないまま、あり得ない事が次々と起こる不思議な感触の作品。でも言外に見える、語れない思いが劇空間を包んでいる。死んだ人を前にしたら、もう何をしてもその死者との関係性は無くなっているんだという当たり前の事実を前にして。大人の女性逹が、いや大人だからこそ、あがいてあがいて喪失してしまった思いを成仏させようとする。女性ばかりの4人芝居で生々しい台詞も飛び出すが、下品に感じさせないのが役者さん達の力だなと思いました。女だけでいかに男を語るか、過去作品にも近いテーマの作品があるようですが、この不思議な空間の魅力は癖になりそうです。