満足度★★
結婚式と葬式
脱力感のある笑いの中に劇場や演劇に対しての皮肉が込められた作品でした。
転落死亡事故があって以来、KAATは劇場ではなく結婚式場として使われているという設定で、そこで行われる(予定であった)悪魔のしるしとKAATの結婚披露宴の様子を描きながら、転落の瞬間を何度も繰り返したり、他のエピソードが挿入されながら展開する物語でした。
座・高円寺、シアタートラム、そしてKAATといった公立劇場や、KAATの芸術監督である宮本亜門さんを茶化したり、演劇では食べて行けず、世間にはチケットが高いと思われていることが自虐的に描いたりしていましたが、そこから表現したいことが伝わってこず、内輪受けな内容に感じました。
巨大なKAATの模型や靴を並べて作った家系図や舞台上手の3席の特別席(チケット代は5円)等、ひとつひとつのアイデアは面白い所もあったのですが、舞台作品としてのまとまりがなく、ただネタを並べて笑いを取ろうとしているだけのように見えてしまって残念でした。
この公演に向けて作られた『週刊倒木図鑑』が充実した内容で良かったです。