鉄の纏足 公演情報 東京タンバリン「鉄の纏足」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    うるせェー
    面白い。パンフの作・演挨拶文も面白い。

    ネタバレBOX

    30超えてレンタルビデオ屋バイトの時田光(森啓一郎)と他のバイトや店長の話と、図書館員が読書することが「貸出」となる不思議な図書館の話。

    職場の人間関係のイライラを、リアリティとユーモアをもって上手に描く。バイトに責任を押し付ける店長・佐渡(猪俣三四郎)や媚びがちな河辺絵理(柴田薫)のお気にの靴を隠す小田知世(大田景子)や磯村彩(田島冴香)、社長息子・金子(近藤フク)と調子のいい中村(遠藤弘章)の同性愛、店長含めヤル気のない面々が醸す負の雰囲気がいい。
    こんな状態の中、磯村の友人・涼子(島野温枝)の水着セクハラ騒動や時田の妹・栄(中島佳子)からのプレッシャーなど重なって、時田の心が爆発する。うるせぇと。

    不思議な図書館では、名前などは意味のないもの、個々のやりとりも意味のないものとなっている。そんな状況がいいと順応する時田(中島佳子)と、馴染めずその世界から離脱する江川(萩原美智子)。図書館の世界は、レンタルバイト時田の頭の中の妄想か、願いか、無意識かはっきりしないけど、ざわつく現実からの逃避って世界になっている。

    店長を刺殺したレンタルバイト時田と図書館員時田が会話を交わす終盤。「人生の疲弊」をぼやく、レンタルバイト時田の乾いた諦観がズシっとくる。

    「鉄の纏足」ってタイトルのとおり、締め上げられた心の描き方が上手い。タイトルとそのリード文から考えるに、男も女も同じだけど男のほうが他者にそのストレスが向きやすいということなのかな。

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    2012/09/22 20:05

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