満足度★★★★
卵?
野田秀樹の新作舞台・エッグを観劇。
改装中の劇場に寺山修二の書きかけの戯曲が発見される。そしてそこから戯曲に書かれた物語の世界へ入っていく。エッグというスポーツがまだオリンピックでは公式認定されておらず、次回の開催予定地?の東京オリンピックでは認定される可能性があり、出場を巡ってスター選手・粒来幸吉(つぶらいこうきち)と新人選手・阿倍比羅夫(あべひらふ)と歌姫・苺イチエの三角形を軸に展開していく。そしてエッグというスポーツが出来た由来から、日本軍の人体実験、オリンピックの定義、選手の自殺、満州での戦争問題などの展開で話は進んでいく。
毎回の事ながら破天荒な設定から、少しづつ史実と現実を交らせていき、何が本当で何が嘘か?という小劇場的なオリジナルストーリーを作り上げてしまう戯曲にはウットリしてしまう。
20代の頃から沢山の野田秀樹の芝居を観ているので、感想は置いとくとして、これだけの物語を書いて、表現出来る演劇人は他には誰も居ないんじゃないか?という位レベルが高い演劇ですので、是非お勧め。
深津絵里の舞台での芝居は、大竹しのぶに近いものを感じるのだが・・・・?