シュペリオール・ドーナツ 公演情報 加藤健一事務所「シュペリオール・ドーナツ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    全てが今ひとつの感
    意外にも、加藤義宗さんが、期待以上の好演ぶりで、加藤父子の共演に目を細める観点で、この芝居を観る限りは、とても楽しめるのですが、全体的に、脚本、演出、演技…、それぞれが、今ひとつ感が強く、トータルすると、満足度3という劇後感でした。

    アメリカシカゴの社会情勢に精通していないので、漠然と違和感を感じたのは、時代性がよくわからないんです。携帯やスターバックスが出て来るから、現代のシカゴが舞台だとはわかるのですが、舞台装置から浮かぶイメージでは、60年代のような雰囲気を感じてしまって…。

    アーサーの暗い過去というのも、あまり具体的な説明がないので、どうも、人物に感情移入できにくい部分もありました。(これは、他の登場人物の背景に関しても、同様です。)

    黒人のメークも、もう少し、プロフェッショナルにできなかったのかしら?
    何だか、あれだと、ドリフのコントを思い出してしまって…。
    喜劇なら、あれでもいいでしょうけれど…。

    演技演技した他のキャストの中、義宗さんの台詞が、一番自然で、声量も、声質も、滑舌も良く、一番感情移入できる人物になっていました。
    初舞台も、十数年前に拝見しましたが、その当時から、楽しみな役者さんでした。舞台俳優としては、長くブランクがあったのに、DNAなのか、さすがです。
    今後の、義宗さんの舞台、また楽しみにしたいと思いました。

    ネタバレBOX

    5月に観た「負傷者16人」を軽いテイストにしたようなお芝居でした。

    全体的に、セットやアクションも含め、プロの仕事ぶりにしては首を傾げたくなる出来栄えでした。

    まず、開幕直後の、荒らされたドーナツ店が、壁に落書きされてる他は、ただ単に、椅子が倒れてるだけで、スタッフが人為的に倒した感ありあり。全然、逼迫感がありません。

    フランコが、ドーナツを試作して、次々食べさせに出て来るのは、まるで、折紙でも折って、「じゃ、これは?」と親に聞く子供のように、短時間の動作で、それも、持って来るドーナツはいつも一個。普通、ドーナツは、1つだけ揚げるなんてことはないし、引っ込んだ途端にまた試して、わすが数分で、合格点が貰える程、上達する筈もないでしょうに…。

    また、一番の迫真シーンの筈の、アーサーとルーサーの決闘シーンは、手に汗握るの正反対で、芝居の段取りがあからさま。

    1つや二つの、芝居上のお約束には目を瞑るとしても、こうも、連続して、作り物めいていると、白けてしまいます。

    全体的に、リアル感がなさ過ぎで。

    せっかく、あれだけ役者としての資質を具えている義宗さんの好演が、嬉しく観られただけに、この芝居全体のレベルが残念でなりませんでした。

    マックス達のロシア語が意味不明なのは演出としては面白く、いいとして、ジェイムスの土屋さんの台詞が、ほとんど不明瞭で、聞き取れないのにも、閉口しました。

    脚本も、まだ粗削りで、人物の描き方が通り一遍なのも、カトケン芝居には珍しく、不満がたくさんありました。

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    2012/09/05 01:21

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