夜空に戻すべき月があるように 公演情報 白米少女「夜空に戻すべき月があるように」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    死神公務員・・
    憧れはしないけれど、なかなかに詩的な設定(笑

    子どもが一度は夢見る(かもしれない?)職業、殺し屋。

    しかもゴルゴのように何も言わずに人を殺すのではなく、
    「・・・殺しに来ましたよ」
    と言ってから、殺す。

    死ぬ前の人の眼をみたことがある。

    そのどれもが、まるで子どもに戻ったみたいにキラキラしてた。

    人は、目の中に星を宿して死ぬのかもしれないと思った。

    ・・だとすれば、覚悟した人を殺す殺し屋は、
    いつも星を眺めて暮らしているようなものなのかもな・・(天文学者のように

    そして、殺した人の家族に恨まれて、いつか自分も殺されることを
    覚悟している(待っている)コロシヤの目にも、
    星は宿っているのかもしれない。

    殺された人たちはやがて煙になって、
    雲の水蒸気の中のきらきらに溶けてゆくだろう。

    ネタバレBOX

    いつか殺される時を待つ殺し屋を、
    靴を磨きながら直しながら待つ
    その男に母親を殺された少女。

    ふたりが巡り会うのも、
    きっと星や月や雲のきれいな荒野なんだろうね。

    少女は、
    男がまた自分のところに戻ってくるように、
    「(あなたに母親を殺されて)殺したいほど憎んでいる」
    と言う。

    男は、少し照れながら?も(変態ではない(笑
    少女に靴を贈る。

    やがて男は旅立ち、
    少女もその靴を履いて
    (雲と同じくらいきらきらしているであろう海に)
    旅立つ。

    ・・もうこの荒野のどこかで
    二人がめぐり会う事は無いのかもしれないな、などとぼんやり思う。

    この話のその後がどうなるのかははっきりとは描かれないが、
    その方が自分は好みだから(笑

    自分は、男に自分を重ね合わせてみて、
    荒野のどこかで、少女が立派に成長したことを
    風のうわさで聞く夢を見る。

    ・・アフリカに旅立ったランボーなんかも、
    荒野の上でこんな甘い夢をみたんだろうかな、なんて思いながら。

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    2012/08/30 00:49

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