師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。) 公演情報 アリー・エンターテイメント「師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ろりえ
    落語の風情など突き抜けて、
    女性の想いがあからさまに深くやってきて。

    じわっと深く心的「エロさ」が降りてきました。

    ネタバレBOX

    最初は突飛な印象すらあった物語の枠組み、
    でも、次第にそれが、表現されていくものへの
    したたかな仕掛けであることに気付く。

    4人がそれぞれに演じるロールが
    きちんと色を持っていて、
    物語というよりは、その物語に収束する
    心情の肌触りに強く惹かれいくのです。

    男優たちはどちらかというと
    舞台の骨を作りこむ役回りなのですが、
    単に物語の進行を語るのではなく、
    場ごとに女性たちの想いを引き出す安定と献身があって。

    女優たちそれぞれの心情が
    じわじわと沁みだしてくる。
    直情的にやってくるのではなく、
    時に炙り出されるように、
    あるいは深いところから導き出されるように
    観る側に伝わってくる感じがあって、
    その重なりが、キャラクターの艶として
    あるいは業として観る側を染めていく。
    ボーダーのない層が次第にはがれて
    女性のうちにあるものが
    それぞれの役者の醸すトーンの奥に
    息遣いを晒し観る側に伝わってくるというか、
    キャラクターたちの内側の
    無意識までが透かされていくような感触が生まれていく。

    ろりえの二人の女優たちには、
    これまでの劇団公演でも、客演時でも使わなかった
    新たな引き出しを持っての表現があって。
    派手さはないのですが、
    観る側を解き放たない深さというか余韻があって。
    それらはさらっと透明感を持って
    劣情が昇華滅失したその先にあるようなエロさすら感じられたりも。

    役者に秀逸に加えて、
    その感覚を導き出した作・出の手腕にも感心しました。

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    2012/08/25 07:58

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