満足度★★★
バラエティーに富んだガラ公演
震災復興支援の為にダンサー達が企画して行われた公演で、若手からベテラン、定番の古典から先鋭的な新作までバラエティーに富んだプログラミングでした。
『ダイアナとアクティオン』よりグラン・パ・ド・ドゥ
冒頭の作品としては地味に感じましたが、八幡顕光さんの力強く豪快な動きが魅力的でした。
『シャコタン・ブルー』(振付:+81)
型の高さまで降ろした幕のの向こうでズボンを穿かずに踊る、人を食ったようなユーモアが楽しい作品でした。
『ラ・シルフィード』よりパ・ド・ドゥ
永橋あゆみさんの重さを感じさせないフワリとした動きがまさに妖精のようで、美しかったです。
『ON THE STREET』(振付:港ゆりか)
スタンダードジャズに乗せてハット&スーツ姿で踊るショーダンス的作品で、キザな振付が西島千博さんの雰囲気に合っていました。
『ブラックバード』より(振付:イリ・キリアン)
悲しさを秘めた優しさを感じさせる、祈るような穏やかに綴られるダンスに圧倒的な存在感があり、とても素晴らしかったです。
『ロミオとジュリエット』よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
橘るみさんのしなやかな動きが美しく、ジュリエットの少女らしさ、喜びが出ていました。
『Mayday, Mayday, Mayday, This is... 2012ver.』(振付:遠藤康行)
カラフルな衣装を着た大人数が絶え間なくフォーメーションを変化させるのが魅力的でしたが、構成にまとまりがないように感じました。
『魂の優美』(振付:西島千博)
古典的なムーブメントをモダンな感覚で組み合わせた作品で、熱のこもった和太鼓の生演奏とドライなダンスのギャップが面白かったです。
『ドリーブスイート』(振付:ジョゼ・マルティネス)
テクニック的には安定していたのですが、段取りが感じられるわずかな間が何度もあったのが残念でした。
『こぼれ落ちる鼓動』(振付: 小㞍健太)
タブラの生演奏に合わせて踊る作品で、終盤ではタブラ奏者がダンサーの写真を撮り、不思議な余韻が感じられました。
『椿姫』よりパ・ド・ドゥ(振付:小林洋壱)
派手な技巧はあまりないものの、細やかな感情表現がされていて、見応えがありました。
『白鳥の湖』より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
米沢唯さんの弾力性とキレのある動きが魅力的でした。グランフェッテもばっちり決めて客席を沸かせていました。
『3 in Passacaglia』(振付:遠藤康行)
日本人ダンサーにはあまりないタイプの小池ミモザさんのワイルドな存在感をが存分に引き出されている、エッジの効いた作品でした。
『白鳥の湖』よりグラン・アダージオ
酒井はなさんの腕から指先にかけての繊細な表現が素晴らしかったです。もっと長く踊って欲しかったです。
『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥ
福島在住の14歳&15歳のダンサーによるパ・ド・ドゥで、失礼ながらおまけ程度に思っていたのですが、素晴らしかったです。特に加藤三希央さんは他の男性ダンサーに勝る跳躍も回転を披露していて見事でした。
フィナーレは『威風堂々』が流れる中を各組が少しづつ踊り、ガラ公演らしい華やかな雰囲気がありました。
古典よりもコンテンポラリーの方が振付家やダンサーの個性がはっきり出ていて楽しめるものが多かったです。