口紅を初めてさした夏 (再演) 無事公演終了致しました!ありがとうございました! 公演情報 TOKYOハンバーグ「口紅を初めてさした夏 (再演) 無事公演終了致しました!ありがとうございました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    夏休み
    人は、いろんなものにつかまりながら立ち直っていくものなのだと感じさせる物語だった。
    仕事や、仲間や、時には反発する相手にさえ、支えられている。
    受け止める安定感ある大人たちを得て、達者な子役が圧倒的な存在感を見せる。この子はこれからどんな演技をするんだろう。

    ネタバレBOX

    舞台は毎日近所の常連客で賑わうスナック。
    客の一人清水が交通事故により突然亡くなって、
    彼からプロポーズされていた店のママ「まちこ」が失意のどん底にある姿から、話は始まる。
    清水の一人娘の小学生「れん」と、
    恋人に子どもがいるとは知らされていなかった「まちこ」の
    反発しながら次第に理解し合っていく過程が描かれる。

    子供特有の、自分の疑問に誰も答えてくれないことへの不満と孤独。
    大人を問い詰めては「嫌われてる・・・」と落ち込む、彼女はまだ小学生なのだ。
    「れん」の「早く大人になりたい」という叫びには、必死なものがある。
    「れん」役の斉藤花菜さん、鋭い台詞の応酬での間が素晴らしい。

    「まちこ」役の吉村玉緒さん、前半は
    こんなに小学生相手に感情をぶつけるものかしらと思うほど怒鳴るが、
    口紅をつけてあげる場面の表情は秀逸。
    「れん」に自分の子供時代を重ね、喪失感を共有して次第に歩み寄っていく二人の関係を
    巧みにリードしている。

    店のチイママ(?)(役名を忘れてすみません)役の長澤美紀子さんが
    衣装も客あしらいも実にリアル、絶妙なポジションを立体的に魅せる。
    五郎役の鳥枝明弘さん、観客の声を代弁する台詞に情があって「いい奴だなあ」と思わせる。

    ほろ苦いラストも、その後の展開を匂わせて上手い。
    「れん」は自然と大人になっていくだろう。
    「まちこ」は別の寂しさを覚えるだろう。
    それを見守る店の人たちと常連客が変わらず温かいはずだ。
    ハッピーなだけでない、こんな優しさのかたちもあるのだと思った。
    忘れられないみんなの夏休みが過ぎていく──。

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    2012/08/07 03:28

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  • アイハラさま

    東京ハンバーグさん、創り手の姿勢が伝わってくるような舞台ですね。
    こちらこそどうもありがとうございました。
    続きが見たくなります。

    2012/08/10 02:04

    うさぎライター様

    ご来場ありがとうございました!

    私も、温かく見守る常連客の存在が大好きです。
    ほろ苦さを感じるラスト・・・またその続きも、ご都合よろしければ是非見にいらしてください!

    2012/08/09 23:14

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