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「ヤミ金融」
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「ヤミ金融」
」の観てきた!クチコミとコメント
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unicorn(1870)
満足度
★★★★
カネ×人生
いい話。じんわりくる。
ネタバレBOX
闇カジノでディーラーをやってた大迫一平は、友人経由でカネを奪い、そのペナルティとして浜谷康幸が経営する闇金会社に勤めることになる。顧客に従業員が刺殺されたり、顧客がリストカットしたりする世界に片足をつっこみかける矢先、警察のガサ入れが入り大迫含め従業員は逮捕される…。
カネに困った人間に違法金利で金貸しする世界を、直接的な暴力描写を抑えて、その恐ろしさを演出する舞台がいい。それでいて中身は、大迫の父親の自殺(その取立て屋は浜谷)や顧客のカネにまつわるトラブルとか、原発事故を原因とした転落の模様などを織り交ぜて、複雑な色で舞台を染める。
浜谷が言ってた、一部のカネと権力をもった人間が生きやすい国で、闇金業者も使われる側の人間で、カネを借りる人間も貸す人間も弱者たちで、そんなカネに絡められた人間の右往左往するサマを静かに描き出す。追い込みをかける前に、浜谷が大迫に「情けをかけるな」というが、闇金の世界に染まった人間の言葉であり、自分らも弱者とわかった上での言葉でもあり、深い恐ろしさを感じる。闇金の世界で有名な浜谷のバックグラウンドはどのようなものなのか、興味をわかせるセリフだと思う。
松本匠と吉田芽吹の清掃員同士の会話で、汗水たらして働くことの美徳が闇金業者との比較で提示されるが、彼らもまた弱者であり一般人の姿であり、その壁の向こうの世界と隣り合わせであることの示唆が面白い。
ガサ入れ情報を掴んだ松本が大迫に暗にそれを伝えるも、大迫は妹の幸せを願いつつ逮捕される。逮捕が闇の世界からの脱却の契機となるかは大迫次第だが、リスタートをイメージしてしまう大迫の優しさが松本や風俗嬢との会話から掬い取れる。そんないい舞台だった。
ちなみに、吉田の笑顔がいい表情だった。
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2012/08/05 23:45
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