満足度★★★
『リチャード三世』鑑賞
「子供のための」と銘打っていますが、だからといって過度に説明的にすることもなく、想像力を刺激する演出を用いて、王位継承を巡る血みどろの争いを描いていました。
10人の役者で10以上ある役柄を演じ、特定の役柄を演じる時以外は黒いロングコートを着てアンサンブルとして台詞を唱和したり机や椅子を移動したりと、役者の力量が必要とされる作りで、役者もそれに応じていました。
ほぼ素舞台で数組の椅子と机だけを用い、スポット照明がメインで全体的に暗い、削ぎ落とされた空間で全てのシーンが表現されていて、役者達のハンドクラッピングで示されるシーンの転換がとてもスムーズで気持ち良かったです。
殺し合いが続く物語が楽しい内容ではありませんが、所々にユーモラスな表現があって雰囲気が重くなり過ぎないバランス感覚が良かったです。ハンドクラッピングやちょっとしたダンス的な動きが良いアクセントになっていました。
伊沢磨紀さん 山口雅義さん、山崎清介さん等のベテラン勢の演技が安定していて楽しめました。
作品の内容的に仕方がないのですが、台詞を叫ぶ場面が多く、個人的には好みではありませんでした。