朝がある 公演情報 ままごと「朝がある」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    はじめてのままごとは・・・
    以前、喫茶店か料理屋なにかの会で会った男性が
    「ままごと」の「わが星」を勧めてくれた。
    私はそのときまでままごとのことを知らず、
    携帯に2語だけメモして後日調べてみた。
    公演のチケットは売り切れでもう手に入らなかった。

    この劇団が随分人気なのではないかと気づいた。
    しかし、だからと言って、良いものだという予感はなし。

    特殊なスタイルの芝居をして、
    普段商業演劇を観ない人、そもそも演劇を観ない人
    に人気があるファッションに近いものなのだろうと想像した。

    そしてこの「朝がある」の公演に突然行ってみた次第。
    これまで思っていたようなものではなく、
    存外に感ずるところのある作品だった。

    以下、ネタバレ。

    ネタバレBOX

    まあぶっちゃけ、
    絶対面白くない、至らないものだろうと思ってたんですよ。

    でも、そうでもありませんでした。
    楽しく観ることが出来ました。

    はじめてだということで、随分集中して観てしまいました。
    広い舞台の中に、人間が一人、その言葉は私の脳に
    「想像!」するようしむけてきます。
    一言一句聞き逃せません。
    だって、細かく状況が説明され、それらは一続きでつながっていて、
    一言でも聞き逃すと重要なヒントを欠いてしまう恐れがあるんですもの。
    すっっっっげーーーーー集中力が必要で、
    いやがおうにも脳みそを使わされました。

    朗読みたいなものかもしれません。
    そういう意味で、演劇的というより文学的だったのか?
    朗読みたいなんだけど、聴衆は自分の内部に落ちていって想像は出来ず、前を向いて舞台を観なくてはならないんです。

    そんなこんなもあって、
    脳みそフル回転で聞き続けることは難しかったです。
    集中力が続かない、というより、
    つまらなくなって、飽きてしまうんです。
    不思議なことに、何度も同じようなテキストを語るにもかかわらず、
    そのテキストは特に魅力的なものじゃないんです。
    苦行。

    でも、私の場合、
    役者に引っ張られて、観劇を降りないでいられました。
    役者が一人。
    彼が、一人で、よどみなく語り、動く、ことが魅力的なんです。
    しかも、し損じないで!

    また、演出が丁寧なことも影響しました。
    照明や投影映像、舞台装置の妙など、丁寧な仕事です。
    モノがないのは稚拙なのではなく、十分にコーディネイトされた状態。

    そうして事の次第を見届けよう、という気に。
    これで至らない稚拙なものだったら、本当に帰っちゃいますね。

    芝居、というより、バレエとかダンスとかエクササイズに近いものを感じました。
    英会話教室では、似たようなダイアローグを本を見ずに
    何度も繰り返して語りますが、そんな感じもある。
    これが新しいものかは分かりません。誂え方が目新しいとは思いますけど。

    もし新しいのだとしたら、彼らの狙いが新しいということなのでしょう。
    では、彼らの狙いはなんでしょうか?

    私がこの公演を面白いと思えたのは、本城直季の写真のようなイメージを
    プロセスの指定を受けて頭の中に想像したからです。
    洗脳とか催眠に通ずる方法なんじゃないかな。
    強制的な頭の体操。
    そんな舞台はなかなかないですね。

    大抵、舞台はエンターテイメントで、
    面白がらせるとか感動させるための基本的な構造があって
    それに乗っ取っていることが多いです。

    苦行ギリギリの、頭の体操みたいな体験をできる、舞台鑑賞。
    これがちょっと楽しかった。
    また、私のために一生懸命パフォーマンスし続けてくれる役者
    を観るのも楽しいです。
    ももいろクローバーのライブが面白いのもこれと同じです。

    この舞台で何を見せたかったか、ということを考えると
    ちょっと難しいですね。
    何かありそうだけど、それは3回くらい観ないと分からないんじゃないかしらん。

    あと、公演時間中、何度も飽きが来たけど、
    でも、また観たいと思います。
    繰り返しまくるくせに、トランス状態になりません。
    なんのために繰り返してるのか・・・
    もしかしたら、観客も基本のテキストを暗記して、
    肩の力を抜いて聴けたときに
    やっとトランスの入り口が開くのかもしれません。
    そのためには、3回くらい劇場に足を運ばねばならないでしょう。

    こんなマニアックな舞台がなぜ人気なのか不思議です。
    もしかしたら、
    人はもう、魅せられたり、感動したりするのに疲れているのかな?
    やたら力の入った芝居は現実的には不自然です。
    肩の力をぬいて観られる、見世物を求める人が増えているのかもしれません。

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    2012/07/06 20:26

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