満足度★★★★★
90年代の名作。
さすが、読売最優秀作品賞。作品にとても力がある。おそらく観終わったら戯曲を読みたくなる人が多いと思う。
上演したくなる集団も多いだろうし、実際、いままでもそうであったろうと思われる。ほかの劇団がやってもこうは出来ないのだろうな・・・。というか、こうはやらないだろうな、と思った。感情没入でコテコテにもやれそうな芝居だし、それはそれで面白いだろうし、そうしたくなるところの作品を、平田オリザの演出は、うまく作品の「行間」を舞台に湧き立たせていた。
俳優陣らのエゴを感じない、まさにチームワークの芝居。青年団って、カッコイイ。
内田淳子だけが外部から客演。ほかの記事で、「姉の役は内田へのあて書きだった」、と読んだ。納得。前に、あうるすぽっとで別の芝居の内田を観たが、この女優は、押しつけがましい存在感じゃなく、気がつけばサラッと存在感を残すという、不思議な人だ。自分のまわりで彼女のファンに女性が多いのは、そういう点からなのかも・・・。これからもどんどん再演してほしい。歳をとっていってもその時その時の内田の「姉」が確かに存在する名作となるであろう。
青年団に客演って・・・平田オリザって策士やな~。