サロメ 公演情報 新国立劇場「サロメ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    舞台役者のみで演じてほしい作品
    「サロメ」を観るのは、高校の演劇部上級生の、篠井さんの、そして、今回の多部さんで、3度目でした。

    昔、映画で、観た記憶も。聖書の会で、牧師さんのご高説を伺ったこともあります。

    でも、サロメが、ヨカナーンの首を所望する本当の理由は、未だにはっきりとはわかりません。

    オスカー・ワイルドの原作なので、やはり、これは、倒錯愛の物語と取るべきでしょうか?

    亜門さんの演出は、何となく、蜷川さん風でした。

    映像畑の役者さんも、皆さん、長台詞をしっかり頭に入れ、淀みなく、話されるのですが、でも何か物足りない。
    台詞の言い方が、どうしても現代ドラマみたいで、内容と合致しない感じを受けました。

    その中で、一人、異彩を放っていたソンハさん。声の出し方からして、違いました。本当に、預言者の声の深みを感じます。
    声そのものに、説得力があるんですから…。

    多部さんは、それ程の舞台キャリアもない女優さんにしては、驚くべき熱演、好演ぶりですが、でも、こういう難解な芝居には、やはり舞台役者さんでなければ、表現し得ない何かがあるような気がしました。

    ネタバレBOX

    この頃の傾向として、どうして、昔の時代の芝居を、衣装やセット等、現代に置き換えて、上演する形態がこんなに多いんでしょう?

    「ロミオとジュリエット」にしても、「サロメ」にしても、現代ではありえない作品内容なのですから、当時に忠実なセットや衣装の方が、むしろ、観客としては、作品世界に同化しやすいと思うのに、なまじ、現代調にしてしまうと、何だか、茶番劇のようで、浅い芝居になりがちではと感じます。

    ただ、舞台の天井に、斜めに鏡が配置してあったのは、登場人物の足の配置が、視覚的に効果を上げていて、最後の血にしても、インパクトがあり、一種の美しさもあって、精巧なセットだったと思います。

    多部さんは、お若いのに、台詞の言い方に、色気があり、サロメの狂気を浮つかずに好演されましたが、「ヨカナーンの首がほしい」という同じ台詞を、経過に従って、微妙に変化させるところまでには至らず、やや一本調子になった点が残念でした。

    奥田さんは、以前拝見した時より、舞台慣れされましたが、どうしても、映像の奥田映二のイメージを払拭するには至らず、サロメに、そんな無謀な要求はするなと意志を翻させるべく、説得を試みる、へロデの長台詞には到底聞えず、テレビドラマで、父親がハッチャケ娘を説得している程度にしか思えなかったのが、残念に思いました。

    席が遠くて、馬木也さんが、何の役だったかもわからず、これも個人的には、残念。

    ソンハさんのヨカナーンは、素晴らしかった!!

    いつか、彼の演じるキリストを観てみたい気がします。

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    2012/06/08 01:21

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  • きゃる様

    確かに、私と同じように、昔から、演劇に造詣の深いきゃるさんには、あえておススメしたい舞台ではなかったように感じます。

    それに、私が観た日はテレビカメラがありましたので、いづれ、テレビ放映されると思います。

    本当は、もっと端の席だったのですが、カメラの横だったので、おじさんが私の来場を待ちかねていて、行くとすぐに、中央の席に振り替えられました。

    お陰で、観易い席にはなったし、この頃、歓迎されない劇場が多いので、こういう形でも、待ちかねられる状態というのは、ちょっと変な喜びがあったかも。(笑い)

    そのおじさんに返事をする私の声が大きくて響くと、連れの長男はハラハラしていましたけれど。

    2012/06/09 11:19

    KAE様



    >多部さんが決して悪いわけではないので、誤解なさらないで下さいね。

    あ、はい(笑)。


    皆さんの感想を読ませていただき、何となくイメージは拡がりました。

    最近、萎え気味で、何分、新国立劇場でお芝居を観る心の準備ができないので、今回はやめておきます。

    いまの私の心理状態では刺激が強すぎるかもしれないので。

    ありがとうございました。

    確かにソンハさんの雰囲気には合った役かもしれません。

    また、一歩俳優としてステップアップされたのでしょうね。

    注目なさってる俳優さんが大きな役を演じられ、ファンのかたがうらやましいです。


    2012/06/09 03:58

    きゃる様

    多部さんが決して悪いわけではないので、誤解なさらないで下さいね。

    開幕後、え、これ、亜門さんよね?とチラシを確認してしまいました。(笑い)

    それほど、蜷川さん的だったものですから。

    一緒に観た長男も同じことを言っていました。

    篠井さんの時は、森山開示さんのヨカナーンは、ダンスで表現して、台詞はなかったように記憶しています。

    思うに、預言者を、現実的な台詞で、表現するって、物凄く、役者の力量が必要だと思うのです。

    ソンハさんは、その点、第一声から、預言者そのものでした。

    彼をキャスティングした人は、きっと今回の公演の第一の功労者だと思います。

    2012/06/08 23:27

    KAE様

    農業少女の多部さんがよかったので、興味持ったけど、前売り買いそびれました。

    KAEさんの感想、楽しみにしてました。

    私も高校の学園祭の学年劇で「サロメ」を観てワクワクしました。

    「ヨカナーン!」と呼びかける声が耳に残っています。

    ヨカナーンの鬘が緑色だったようなかすかな記憶が。

    「サロメ」というといまだにあの印象が強いです。

    その前は、映画か何かで劇中劇みたいな短いのを観た程度で。

    サラ・ベルナールの声の原盤が残ってたとかで、TVで復元を聴いたことがありましたが。

    あとは松井須磨子の舞台写真とか。

    玉三郎さんがやったら、どうなるのかな、なんて想像したりします。

    ネタバレを楽しく読ませていただき、さすがKAEさんらしい表現で、情景を想像しました(笑)。

    ソンハさんには満足されたご様子。

    ありがとうございました。


    2012/06/08 02:35

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