満足度★★★★★
堪能しました
個が吐き出す言葉は、個それぞれが持つ色に染まったもので、当然に波長も異なる。それは、本来的に個が相互に分かり合えるものではないが、それを乗り越えようとする努力も個別の働きかけが素になるところから、絶望が立ちはだかるものの、感動や怒りなどの情動によって小刻みにでも重なり合えることをベースにして通じ合えるものだ、というメッセージと受け留めました。人間相互関係の核になるものの掘り下げは、演劇の深遠で基本的なテーマで、答えが無数にあり、どこにも存在しないともいえるものだと思います。このような試みは素晴らしいの一語に尽きると思いました。