満足度★★★★
現代人の心に突き刺さる史劇
「観たい」にも書いたとおり、初演を観ているのだが、部分的にしか覚えていない。題材や表現方法は面白いと感じたが、
荒削りの印象だった。
今回観て、まったく違うものになっていて驚いた。
「古代史の謎」みたいな本が好きで読んでいたが、また読み返したくなった。
大胆にフィクションを入れ、時空をも飛び越えてしまっている。
座付き作者の森山智仁の着想と構成力はたいしたものだ。
現代人にわかりやすく、しかも共感できる寓話的な作り方をしている。
そして、この劇団は常に史実の説明等を書いた解説資料を終演後に配布する誠実さが、史学科卒としては嬉しい。
思いつくまま好き勝手に書き変えているのではないことがよくわかる。
ただ、あくまで史実に沿い、約束事を重んじた正統派演劇が好きな人にとっては、抵抗を感じるかもしれない。
池袋演劇祭で受賞したり、キャリアを重ね、見せ方も大きく変化してきたように思う。
劇団☆新感線のモノマネっぽいファンタジー活劇が増えている中、バッコスの祭は独自路線で新分野を開拓しているようだ。
いま一歩、脚本のきめ細かさと洗練度が加われば、と思う。
2012/06/06 02:18
2012/05/31 19:59
コメントありがとうございました。
毎回、歴史がどんな感じで描かれるのか楽しみな劇団です。
劇場からの帰途、解説文をいつもとても興味深く読ませていただいています。
段々、大きい劇場での上演になっていて演出も変化してきていると思いますが、
次回も期待しております。