百年の秘密 公演情報 ナイロン100℃「百年の秘密」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    役者と映像が素晴らしい
    秘密を共有する2人の女性の幼少時から死後、さらにそれぞれの孫の代までが時代を行ったり来たりしながら描かれた時間的スケールの大きな物語でありながら、空間的には家の中と大きな木が立つ庭だけと限られていて、プライベートな出来事しか起こらない、密やかな雰囲気の作品でした。

    一気に何十年も先に飛んだり戻ったりするのですが、狂言回しが語る話という体裁になっていて、時代や状況が説明されるので、分かりやすかったです。同一のセットで室内と室外のどちらのシーンも演じられ、時には2つの空間がオーバーラップするシーンもあるのですが、人物の立ち位置や動きだけで明確になっていました。

    役者の素晴らしい演技や、時代を変えて、あるいは人物を変えて同じようなシーンや台詞が現れる巧みな構成は楽しめましたが、ケラさんにしては毒気があまり感じられず、ナイロンではなく、シアターコクーンでのプロデュース公演の時のような感触がありました。

    観客の感情を強引に持って行こうとしない、控え目な音楽の使い方が心地良かったです。
    冒頭のキャスト紹介の映像はプロジェクションマッピングの手法でセットが動いているように見せたり、役者達が動かす板に映像を当てて、その中で人が動いているように見せたり等、圧巻のクオリティーでした。作品内でも人影が動いたり、舞台上が闇に侵食されて行ったりと映像がとても効果的に使われていました。

    うろ覚えで、もしかしたら誰かの妄想か幻想の中のシーンだったのかもしれませんが、木が喋ったり映像を重ねてモヤモヤと蠢いたりする場面があり、違和感を覚えました。木はただ超然と人々の営みを見ているというだけの方が良いと思いました。

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    2012/05/21 09:38

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