軍鶏307・改訂版 公演情報 劇団桟敷童子「軍鶏307・改訂版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    気迫あふれる公演…ただ台本には疑問も
    以前見た「蟹」があまりに素晴らしく、今回も期待して行きました。

    結論からいえば、今回も気迫が伝わってくる上演で、
    また、今回も役者自身が衣装を付けたまま、
    受付や会場案内等も親切にこなすシステムでした。
    冒頭のコーラスも斉唱(ユニゾン)ながら声が揃っているし、
    手抜かりはない。舞台装置が凝っていて素晴らしいのも相変わらず。

    話は、先の大戦の、戦中から戦後の混乱期の話。
    ただ、話の、特に前半部にはちょっと疑問が。
    (以下ネタバレ)

    ネタバレBOX

    はじめに、軍国夫人のような主人公が出てきて、
    竹槍で鬼畜米人を刺す訓練を人一倍こなす。
    周囲からは拍手が・・・。

    ところが、息子の応召には、何としても抵抗しようとして、
    今度は周囲からは非国民呼ばわり。

    天皇陛下の悪口まで言い出し、憲兵に連行されたり。
    そして、息子は戦死し、彼女は精神を病む。

    しかし、どうしてこの人がこのような二面性を有しているのか、
    私には腑に落ちなかったのが正直なところ。

    それから、(反戦ものの演劇ではよくあるのだが)現在の価値観で
    当時の思想を批判する、というのは、私はあまり好まないのだが、
    息子の応召に対する彼女の台詞は、いかにもそれであった。

    要は私としては前半の彼女についての上記2点が、
    まずは気になってしまった。

    もっとも、以上は、この芝居の初めのエピソードに過ぎず、
    話はここからさらに、どんどんと展開していく。
    そこには、やはり見所も多くて、この劇団の底力を観たような気がした。
    ただまあ、前に観た「蟹」の方が、ストーリー性も優れていたかなあ。

    そういうわけで、某ライバルサイトの評価方法にならって
    ストーリー 2P
    演出    4P
    キャスト  5P
    音楽    5P
    としました。ストーリーには辛い評価ながら、
    他は高評価ということで、総合評価は星4つとしました。

    終演後は、バックステージツアーもやってくれて、
    この凝った舞台装置を近くで見せてくれるなど、
    サービス精神も相変わらずでした。

    0

    2012/05/16 01:22

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大