ハラナイ荘の人々 公演情報 ちからわざ「ハラナイ荘の人々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    いろいろ抱え込む人々
    はみだしっ子(®三原順)だらけのハラナイ荘。
    常にいろんなモノを背負い込み、ある部分では怖さを感じた上で生きて暮らしている。
    頑張りと踏ん張りと気遣いと大きなお世話のさじ加減のバランス、正解の見えない人生の葛藤や足掻き具合にどこか共感する部分が多々あり。
    見ているとそれが苦くて辛くも感じたりする。
    バンマスの最後の表情に思わずもらい泣きしそうに。

    ふとした時につい思い出し笑いが出て、肩の力がいい感じに抜けているような印象。すんなりと心に入り込み、見終わった時には不思議と優しい顔つきになっていると思う。

    ネタバレBOX

    「今、しないヤツは一生しないよ、無理なんか」
    キーワードにもなっているこの台詞が常に光って聞こえた。

    当日パンフ登場順
    ・美人恐怖症の中島君
    顔面紅潮の技、凄かった。終盤近くなり表情と性格が変化していくのが良かった。

    ・花粉症の神田さん
    人前では粋がっているけど筆記類を見るとくしゃみ連発、文字を書こうにもある事を連想させる為、書く事すらままならず。それが生命をも脅かす羽目になるけど、吐露する場面は聞いてて物凄く辛かった。でも、言えない気持ちも理解出来る。中心的な役柄だと思ったけど、最後の登場の仕方にちょっと肩すかし感があった。彼女にとってはあれは苦い恋だったな‥。

    ・ハラナイ荘の管理人?バンマス(アル中気味)
    ホワイトボードには「やさいかう」「禁酒(しない)」
    住人を巻き込んで一悶着ある騒動が勃発した際、「頑張れ」の勢いが盛り上がる、その場のノリでつい言葉にしがち。それが彼にとってのトラウマの要因でもあるけど、その連呼を怒張する様は、昨年の震災直後の日本の雰囲気の状況をふと思い出したが。
    ある事がキッカケで仕事も辞め、アルコールが手放せない事に。
    師匠の最後の行動を見つめる眼差しとその表情に、思わずもらい泣きしそうになった。

    ・ニート?引きこもり?で揚げ足取りでちょっかい出しやすい韮山さん
    個性的な発言や一挙手一投足が、今まで二郎さんが演じてきた役柄に重なって見えたのは自分の悪い癖!ヘアスタイルから米茄子に見えた、すみませぬ。
    「凡百」という言葉を書いたけど、彼は一体なんの恐怖を抱いていたのだろう?星の形だったかな?思考がマイナス気味で、最初から最後まで見事なまでに変わらない負の安定降り、だからと言って不快にならず。不思議な人だった。

    ・通販で売ってるような顔面隠れるサンバイザー常時装着の音無さん
    役柄上、発言は少なく根本的な原因はよくわからなかったけど、他者に見つめられる怖さや醜さへの恐怖は女性だったらどこかしらわかるのでは。顔を見せたけど化粧していたのは女性としてのたしなみによる行為だと思った。

    ・両手を上げられない師匠と呼ばれている子供女子
    発言が大人びて達観し過ぎのある子供。腋臭が原因でイジメにあい、登校拒否。父親蒸発、母親死亡。だからといって人生経験値少ないうちから全てをわかったように思っちゃいけません。住人から見た希望の持てる行動で見ている方も救われた。

    ・近所のスーパーの二代目若社長の西丸さん
    花粉ちゃんのパート先の若社長。この中では一番社会適応力のある人で、順調かと思いきや、そうでもなくて。弱さをさらけ出して集まっている住人を見てどこかで安心感も見え隠れする。それは見ている観客の自分達にも言える事ではないかなぁとぼんやり思えたり。
    家業を引き継いだ重圧や恋人との別れ、そこから開き直って変貌していく様は年相応の一人の男だった。山中さんの振り幅の広さにドキドキした。

    ・倒置法が気になる教授の山崎さん
    なんの教授なのか触れたっけ?
    歯のブラッシング回数を毎回数えたりしている几帳面さ、倒置法の喋りが気になるが、なぜそこまで気になになるのか不明。英文法なんか読んでたらイライラしてしまうんじゃなかろうかw

    役柄上の全部の話は回収してなくても、いい話でした。

    0

    2012/05/13 02:18

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大