満足度★★
すこやかクラブ鑑賞
食べ物をモチーフにした短編オムニバス的な構成による、キュートでコミカルな雰囲気の中に少しエロティシズムとホラーの要素が感じられる作品でした。
それぞれのパートにタイトルが付けられていて、料理番組に他の要素がコラージュされていく「フランスパン」、豚とコックの攻防を描いた「ブヒバラ」といった、ダンスというよりかはナンセンスな寸劇が続き、後半になるとベジャール版『ボレロ』のパロディーや、しっかりと踊るデュオがあり、ダンス作品らしいテイストも感じられました。
周りの観客は良く笑っていましたが、子供っぽさを強調し過ぎているように思え、個人的にはあまり笑えませんでした。
能、狂言、歌舞伎、雅楽といった伝統芸能の真似をして観客の笑いを得ていましたが、パロディーにしてもあまりに表層的な扱い方で、残念な出来でした。
客席を通常と逆向きに配置し、エントランスの窓越しの景色を取り込んでいたのがシュールな感じを演出していて楽しかったです。
若い女性達が可愛らしく、あるいはバカバカしく振る舞う姿は魅力的でしたが、純粋なダンス表現をもっと見せて欲しかったです。