満足度★★
ケラ式「わが街」、はたまたチェーホフ劇
って感じのお芝居でした。
確かに、ケラさんの作劇は上手いと思います。
3時間半、長いけど、カットすべき箇所は思い当たりません。
あれだけの、登場人物、一人二役、三役もあったりして、その上、時間が過去や未来に行ったり来たり。それなのに、全くこんがらがらないのは凄い。
でも、この作品、所詮、作り話の域を出る芝居ではなく、よって、登場人物誰一人として、感情移入できるような存在もみつけられないまま、ずっと、客席から、傍観してしまいました。
何役も演じたり、同一人物でも、若い時や老齢まで演じ、役者サイドのテキストとして見たら、秀作脚本かもしれませんが、一般観客である自分には、今回の作品は、凡作に思えました。
実力ある俳優陣が勢揃いしている劇団だから、途中で帰りたい気持ちにもならず、観られるのですが、これをもし、素人紛いの劇団が上演したら、たぶん、途中で、帰りたくなるかもしれません。
萩原聖人さんと、ベイカー家の女中、メアリー役の長田さんがとにかく秀逸な演技と存在感でした。
100年の歴史を現す、映像の使い方、見せ方の巧みさにも、感嘆しました。
ただ、室内と庭の境がないので、舞台の中盤まで、登場人物がどこにいるのか不明な箇所が多く、そういう余計な神経を使わされて、やや疲れました。
せっかく、台本構成は巧みに書かれているのに、セット面で、難解にしてしまったようで、残念でした。
2012/05/14 02:10
2012/05/14 01:51
2012/05/13 23:37
同じような感想を抱いた方に私の疑問についてご意見伺った次第。
失礼致しました。